勝利の後
王様たちに魔物を退治したことを告げると王様と王女様、大臣、衛兵皆一様に抱き合って喜びをかみしめていた。王様と王女様の目には光るものがあった。
俺はアイとメリルを見て自然と笑みがこぼれた。二人も俺と同じ気持ちだったようだ。俺たちは一旦広間を出ようとした、が。それに気付いた王女様に呼び止められた。
「勇者カイトさま。アイさま。メリルさま。この度はわたくしのために身を挺して魔物と戦ってくださって本当にありがとうございました。」
と王女様は順に俺たちの手を取り目をみつめながら感謝の意を伝えてくれた。
「勇者たちよ。娘を救ってくれたこと心から感謝する」
王様はそう言うと衛兵たちに宝箱を持って来させた。
「これは礼の品じゃ。わが城に代々伝わる秘宝じゃが、持っていくが良い」
宝箱を開けると、中には黄金に輝く腕輪が入っていた。
「それは経験のリングといって……」
知っていることだから割愛するが、要は装備した者の獲得経験値を3倍にするアイテムだってことだ。その代わり魔物のエンカウント率が飛躍的に上がる。レベル上げにはもってこいだ。
一夜明けて。
「……世話になったな、勇者よ。北の関所も通れるようにしておこう。もし困ったことがあればいつでも立ち寄るが良い、力になるぞ」
「ありがとうございます」
いずれ本当に力になってもらうときが来るのだが。それはまだ先の話だ。
「ありがとうございましたっス! 王女様、また来るッス」
「バイバイ」
「お待ちいたしております」
俺たちはガルフ城を後にした。




