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エピローグ

エピローグ



──幾多の苦難があった。


眼を背けたいことがあった。


心を失うことも…あった。


それでも、過去など無ければよかったとは、わたしは思わない。




──小さくて大きな、幸せがあった。


心を失って、あたたかさに触れた。


手を伸ばせば、世界はそんなに冷たくなかった。


…わたしが歩めばいいのは、これから先へ続く道──。




──たくさんの過ちを犯した。


繊細な硝子の心を、私は幾つ砕いたのだろう。


許しを乞いはすまい。


ただ願わくは、これからも私の子たちの歩みを見守っていられる時間をいくばくか──




──僕らは躊躇(ためら)った。


君に手を伸ばすことを。


ただ、君に走り寄り、その手を取ればよかったのに…




──ああ、僕らはやっと本当の君に出逢えた。


それは僕らが何かしたからじゃない、君から手を差し伸べてくれたから…




──不甲斐ない僕らだけど、これから君を守ることを、どうか許してほしい。


今までの償いと、想いを君に──





──愛するあなたへ。


わたしはいつまでも言うでしょう。




『出逢えてよかった』




あなたがわたしにくれた言葉を。



──あなたが振り向いてくれたから、わたしはあなたと出逢えたわ。


そうして、今はあなたの胸の中、深い深い場所から、あなたの瞳に映る鮮やかな世界を見ているの。


…わたしは、あなたとあなたの大切な人たちの幸せを、ここでずっと祈ってる──。




どうかみんな幸せでありますように。


過ちも罪も疼く傷痕も、やり場のない怒りも、深い悲しみも、溢れる涙も。

全てが、優しい真綿で包まれますように。


いつか小さな喜びや幸せの芽が、大きく育ってみんなの心をまあるく包んでくれますように──




そしていつの日か、みんながみんなにこう言えますように。






『君に、出逢えてよかった』






*君に出逢えてよかった・FIN*


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