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星の魔女 ~3 cornered ~   作者: 羅偽
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【学祭】編 Ⅲ 矛盾

実技教師 スハイルは圧倒的攻撃力を誇る。

自前の戦錕メイスはほぼ全ての魔法を破壊しながら相手にその刃を届かせる事が出来る。

槍にも姿を変える事が出来、様々な戦況に対応できる。


文化祭対抗戦、火組連合対風組連合戦。

今年の文化祭の一大イベントが、ついに始まろうとしていた。

「一応確認しておく。」

騎士王、アルファルドの声が響く。

「一定の基準に達した強力な生徒や教師は一度戦闘不能と扱われれば、普通の生徒と違って対抗戦が終わる時にギリギリ戻れるかどうかだ。この対抗戦を勝ち抜くには、しっかりと復帰が遅い相手を確実に倒して行く必要がある。」

「開始と同時に持ち場に一気に着いて攻め入るわよ、あなた達は拠点に攻め込んで大将を叩いてね!露払いは私達星群がするわ!」

皆が高揚し、各々が転移魔法で位置に着く為の準備をする。

開戦。



「ノア殿、全員定位置。一気に拠点に正面から攻撃を仕掛けます。」

星群の隊長が一人、バーリスが言うとノアは指示を出す。

「それじゃあ私達も移動しましょうか…?…何か聞こえないかしら。」

現地の兵との通信から溢れる、微かな音。

「歌です…敵拠点の方から。」

兵が呟く。既に魔法攻撃で火組の拠点は爆音に曝されているが、それでも止まない微かな歌。

「こちら、中央突破を決行中。魔法での城門破壊を試みていますが、相手の障壁に阻まれています。」

「特徴はわかる?」

ノアは資料を開いて準備をする。

有名な魔法士なら対策は考えてある。

しかし、その魔法士は。

「黒い鎧の…騎士です…。」

「ッ!?今すぐ離れなさいッ!」

ノアの声に兵達は困惑する。

それと同時にアンナは片腕だけで剣を構える。

剣先を兵達へ、正確には相手の城門へと。

狙いを澄ました瞳は、ヘルムで見えないものの兵には恐怖を刻みつける。

「…凶撃マレフイック・ブラスト。」

黒い突風が一直線に城門から城門へと駆け抜ける。

「ぐぅつ!?」

ノアがいるのは城門と拠点の城の間。突風はノアを切り刻もうと勢いよく吹き込んで来る。

城壁が吹っ飛び、瓦礫もノアに向かって飛んで来るのである。

「ノア先輩!大丈夫ですか!」

アルファルドからの通信に必死に答える。

「大丈夫…でも作戦は失敗、一気に兵を失った。これで五分は正面がガラ空き…私はここで暫く門番ね…。」

風が止む。

アンナの超広範囲攻撃が終わったのである。

「ただ今、敵のゲリラ部隊が支援部隊と交戦中です!…状況は良くありません!」

「星群騎士各位!支援部隊の守護、及び敵軍の排除を!フェーズ終わりまで耐えて!」




「あと十分も持ち堪えなきゃなんねぇのか!?メチャメチャ劣勢じゃんかよ、よい!」

「弱音を吐くなトリム!あんな砲撃は想定外だ!学園島とほぼ同じ広さなのに端から端まで届いて城壁を壊すなんて一個人が出来ると誰が思うんだ!」

月組は風組とは関係なく動く遊撃隊だったが、見事に相手に位置を割り出され、奇襲を受けていた。

「こっちに星群騎士は来ない…俺達でなんとか戦力を削いで他の部隊の加勢に行くぞ!」

「それはまた…随分と自信があるんだな?宵。」

空からの斬撃を宵は寸前で躱す。

「…神無カンナ兄ちゃん…!」

「はっ!?…マジか!?宵にピンポイントでぶつけて来たぁ!?」

嘆くトリムに、炎の剣が振るわれる。

「神無だけではない…覚醒者ウェイカーマリア、貴様達の首をいただくぞ…!」

「そういう訳だ、ここからは俺達とだけ…楽しんでもらうぞ!」


今回の対抗戦はフェーズ式で行われる。

十分で一フェーズが終了、第二フェーズからは各軍用意してある支援効果が各フェーズ終了まで一つずつ発動する。フェーズとフェーズの間に休憩は無いが、ペース配分の目安でもある為、フェーズ毎に違う役職を与えられている生徒もいる。


勝敗は大将の撃破。風組連合はアルファルド・セイリオス、火組連合はアンナ・リーゼロッテ。


「各々、配置に着きました。今の所は優勢です。さすがの采配です、アンナ様。」

低く、静かに。

アンナに言うのは、ブランド・ゼバスティアン。火組で名高い騎士で、アンナに忠実な男。

「行くぞブランド。我々が動かねば勝利はない。」




第二フェーズ開始十秒前。

「さァて、ウチの軍は劣勢みたいだしな。ここでひと暴れさせてもらうか。火組の奴らにゃあちと可哀想だが、風組の助っ人として呼ばれちゃあしょうがねぇ!」

そう言って戦地の真ん中に降り立ち、駆けつけで一人吹き飛ばしてみせる。

セイリオス学園実技教師、スハイルは戦場を駆ける。

「っ…お前が火組の助っ人とはねェ…。」

火組城門側へ少し走ると、氷の柱に道を阻まれる風組生徒達が目に入る。

「やっはろ〜!?スハイルぅ!☆…元気してたァ?その様子だとアンタが第二フェーズの助っ人ね、待ってたわァ…!」

長い金髪に青のエクステ。

真っ黒のワンピースで柱の上に立つのは、セイリオス学園非常勤、防衛魔法講師。

アプラ・ドレファス。



第二フェーズ開始。

戦況は火組連合が優勢。



to be continued...




どーも、お久しぶりですね!


日本ではイヌワシが絶滅の危機だとか。


猛禽類の目は本当に向こうの向こうまで見えるらしいじゃないですか?

良いですよね、見たくないものまで見てしまう事があるとしても、見えないよりマシです。

知らないで腐って行くくらいなら知って後悔したいのです。

んなことより最近寒いですから、お身体気をつけてくださいね皆様。

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