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「騎士って…テオは兵士団目指してるんじゃないの?」
アンナがテオに聞いている。
確かに、テオが目指してるのは親父さんと同じ兵士団だったはずだ。
「そうだけど、お前らも知ってるだろ?10歳の年にやるスキルの儀ですごいスキルだったら騎士候補生になれるかもしれない。兵士団もカッコいいけど、やっぱ騎士は特別なんだよ」
「リリーおねえちゃんがと同じ年にスキルの儀を受けた人の中に槍の上位スキルで騎士候補生になったって人がいたよね」
昔に聞いた話を思い出しながら答える。
でも上位スキルっていても私の探知みたいに回数が決まってるなら、本人の実力もかなり必要なんじゃないかな。訓練とか大変そう。
「上位スキルだけじゃないぞ、千人に一人の複数スキル持ちや、制限スキルとかだって騎士候補生になれるんだ」
???
制限スキルとはなんだろう?
「制限スキルって何?」
「イリーナちゃん、制限スキルっていうのはね強すぎて神様が一日に使える回数を制限しちゃったスキルのことだよ。一番有名なのは二百年前の聖女様の死んだ人を生き返らせるスキルで一日1回しか使えなかったんだって」
「へ…へー。ちなみに制限スキルってどのくらい珍しいの?(焦り)」
「よくわからないけど、一つの国に五人以上いたことは無いってお父さんがいってたよ」
まじかよ…。いや、確かにめっちゃ自由度高いし、便利すぎるなー。とは思ってたけどそんな大層なスキルだったのか。いや、スキルの儀前に使えてるし、別枠かも。まだ、騎士候補生の確定ルートではないはず…多分…メイビー。
「あと、僕たちの年で言われてるのは勇者だよね」
残ったサンドイッチを食べつくしたオラクが会話に混ざってきた。
「でも俺たちが生まれた時の予言だろ?魔王が復活するから当時は大騒ぎだったらしいけど、魔物が増えたり国が滅ぼされたって話は聞かないぜ」
「あたしお父さんに聞いたんだけど、もし本当に勇者がいても見落としがないようにあたしたちの年のスキルの儀はどこの町にも騎士か騎士候補生が派遣されるんだって」
なんだって!!
くっそー。スキルの儀の責任者を買収して、当たり障りのないスキルに改ざんしてもらおう大作戦が発案30秒で失敗した。
「僕は騎士とかは興味ないかな。お腹いっぱい食べられればそれでいいや」
「騎士候補生は国が援助してるから訓練学園の学費食費は無料らしいぞ」
「僕、絶対上位スキルが欲しいな」
「あきれた。オラクはどこまで食いしん坊なのよ」
「そうだ、前に兵士団のおっちゃんが言ってたんだけどよ、騎士候補生になった槍のスキルの人は10歳の時に子供のボアを倒すくらい勇敢だったって言ってたから、俺たちも勇敢なことをすればいいスキルがもらえるかも」
誰だそんなウソいったやつ。生まれた時から制限スキル使える私はどんだけ勇敢なんだよ。
「でも勇敢なことといっても、いまいちよく分からないわね」
「じゃあさ、森に行くのはどう?」
オラクがこともなく言い放った。
「森はさすがに危なすぎるだろ、俺たちじゃ子供のボアだって倒せないんだぞ」
「別に、ボアを倒すわけじゃないよ。ベリーを取ってくるんだよ、ベリーだったら森に少し入ったところで沢山採れるってママが言ってし、いっぱい取ってきたら僕たちのおやつもいっぱい」
「確かに、勇敢になる第一歩としちゃ悪くないかもな」
「ちょっとあんたたち、まさか本当に行く気じゃないでしょうね?子供だけで森に入るのは禁止されてるじゃない」
「ルールを守ってちゃ勇敢には成れないぜ。イリーナはどうすんだよ」
さすがに子供たちだけで森は危ない気がするけど、私やアンナちゃんが止めたところで二人だけで行きそうだし。私のスキル使ってぱぱっとベリーだけ取って帰れば大丈夫かな?
「テオ達だけだと危なっかしいからついていくよ」
「別に来てくれなんて頼んでねーけどな」
「イリーナちゃんまで…もう!!わかったわよ、私も行く!」
まあ、大丈夫でしょ。ちょっとピクニックに行くようなものだし私のスキルがあればボアとかが近づく前に気づけるはず。
「よっしゃ!それじゃあ出発だー!!」
「「「おー!!!」」」




