06
「「「あーそーぼー」」」
「イリーナ、お友達来てるわよー」
「今行くー!」
はい。6歳になりました。
あれから特にどっかの国が魔王によって亡ぶこともなく、結構平和な毎日でした。
結局、探知以外のスキルは見つからなかったのでひたすら探知のスキルを練習する毎日。大きな進展として、3歳の頃に使える回数が1回増えて、最近も1回増えて、合計で5回使えるようになった。
毎日スキルは使い切っているので、三年間毎日スキルを使えば1回づつ増えていくみたいだ。
これが、連続で~、とか毎日1回でも可~、とかは検証していないのでわからないけど増える分にはいいから今後も検証する予定はない。
スキル自体もかなり使い方に幅が広がった。
多すぎる情報量による頭痛が枷になっていたが、常に360度展開するのではなくスキルの範囲を直線状にすることで情報量を抑えつつ、その直線を360度回転させることでズレは生じるが圧倒的な範囲の増大が行えた。
さらに、千里眼のようなに離れた場所を見るようにする使い方も確立した。
すべてのものを制限なく感知することで目を閉じていても視界を得られるようになるやり方、あれは脳への負荷が大きく成長した今でも半径5メートルの範囲が限界だった。
そこで、紐のように細く伸ばした先で展開してみた。
自身の体が発動元なのは絶対のようで、いきなり遠くの離れた場所を探知することはできなかった。
ただ、繋がってさえいればいいみたいで、細く伸ばした紐みたいな先から展開するのはできた。紐部分にもリソースは割いているので自身の周囲を探知するときと同じ範囲とはいかないけどね。
これで一度、近所の夫婦の情事を覗いてしまったのは苦い思い出だ。直前の探知で夜なのに激しく動いてる人の反応があって気になって千里眼モードを使ってみたら、頑張ってコウノトリさんを呼んでたってわけだ。
このスキルが変態の手に渡らなくてよかったー。
私?私はかわいい美少女だから問題なし!
さてと、今日は友達と遊ぶ約束があるんだった。
「お、来たな。おせーぞ」
「ごめんごめん。でも、テオだってこの間寝坊してたじゃん」
「あれは、前の日に親父にしごかれて疲れてたんだからしょうがねえだろ」
この生意気なのはテオ。お父さんが兵士団の隊長でよく訓練に参加させてもらってるらしい。
「それよりも、早くリリーおねえちゃんのところにおべんとうもらいに行こうよ」
食いしん坊のオラク。両親が農家でたくさん食べて育ったせいでちょっとぽっちゃりぎみ。
「イリーナちゃんみてみて!これ昨日お父さんがくれたんだよ。カッコいいでしょ」
腰に付けたポーチを見せてくれる女の子はアンナちゃん。アンナちゃんはお父さんが働いてる商会の商会長さんの娘さんだ。
最近は年の近いこの4人で遊ぶことが多い。
今日はこの後、リリーおねえちゃんにお昼のお弁当をもらっていつもの広場で遊ぶ予定だ。
「よし、じゃあ行くか」
ルイーダさんのお店でリリーおねえちゃんに人数分のお昼のお弁当を包んでもらって、広場に到着。
「よし、お前ら剣は持ったな!」
「「「おー!!」」」
最近のブームは兵士団ごっこだ。剣(木の枝)でチャンバラをしてる。
ひと段落して、リリーおねえちゃんに作ってもらったお弁当を食べた。
今日は、サンドイッチだった。タマゴサンドだけ見当たらないけど、私は何も知りません。モグモグ。
「おいイリーナ!タマゴサンド独占するなよ!」
「ひへはへん」
モグモグ。
「ずるいぞ、僕まだタマゴサンド食べてなかったのに」
「オラクは、タマゴ以外の種類を半分食べてるじゃない」
「え、そうだっけ」
リリーおねえちゃんはルイーダさんに似て料理がとっても上手なんだ。だからつい、食べ過ぎちゃうのも悪くないよね。
「お、これはベリーのジャムだ」
「そういえば、森でたくさんベリーが成ってるってお母さんが言ってたよ」
昨日のデザートで食べたベリーの味を思い出しつつ、ポケットに隠してたタマゴサンドを頬張る。
「まだ、隠し持ってたのかよ」
「テオはやっぱり将来は兵士団を目指してるの?」
最近、将来のことで両親と喧嘩したらしいアンナちゃんはみんなの将来が気になるらしい。
「おう、やっぱ兵士はカッコいいからな!」
「オラクは?」
「うーん、僕はやっぱり農家かな、たくさん食べれるし」
「イリーナちゃんは…いいとして」
「ちょっと!私にも聞いてよ!!」
「お前はどうせ冒険者だろ、もう耳にタコができるくらい聞いたよ」
「その通り!一番カッコいいのは冒険者だからね」
「ちょっと待て、いちばんは騎士だろ」
「冒険者ったら、冒険者!!」
「騎士ったら騎士!!」
「まあまあ、二人とも落ち着いて」
このわからず屋はいつになったらわかってくれるのか。冒険者が一番カッコいいのに。




