初恋の彼女の未来を守る…
俺が一躍時の人となったことは、俺の中学校でも話題となった。未来を見ることで犯人を逮捕したり、様々な問題を解決したり。
まぁ、中には俺がめちゃくちゃ稼いでいることを知って、すり寄ってくる馬鹿共もいるけど。
俺は一応、皆に同じ対応をした。
未来は見ない。未来予知は良いこともあるが、人によっては人生を変えてしまう危険性もある。
だからこそ、不用意に使用できない。
だが、最悪とは想像していない状況で発生するもの。
俺の初恋相手…学年のアイドル。学年どころか学校全体の男子が一回は恋をして、告白し玉砕する相手。
そんな彼女と俺は学級委員をともにしている。
一緒になるために学年で学力で首位に立ち、教師陣からの評価を上げて半ば強制的に俺が就任できるように仕向けた。
彼女は、いつも誰にでも笑顔を絶やさず、嫌いな男子なんて一人もいない。ファンクラブがあるほどで、彼女の部活の試合には男子が団体で応援に行くほどだ。
そんな彼女が珍しく…いや初めて見る落ち込んだ顔。
笑顔は絶やしてはいないけど、明らかに元気がない。
俺は悪いとは思ったけど彼女の未来を見た。
これは…病院?
病院の一室で彼女が泣いている。
病室のベッドに突っ伏したまま。
「いや…嫌だよ。酷いよ…。私をおいてくなんて…。」
ベッドに寝ていたのは彼女の母親…。
彼女の母親は病だったのか…。
でもなんの?
俺は、能力をフル活用して探した。
そうしたら、判明した。
彼女の母親は、末期の癌だった。
それも悪性腫瘍が心臓に転移してしまい、
見つかった時点でステージ4。
それも、旦那さんと離婚して女手一つで彼女を
育てていたため、治療費を用意できず、
気づいたときには手遅れだった。
でも、ここに記載されている内容だとまだ、
入院していない。そもそも癌が見つかってもいない。
今ならまだ助けられるかもしれない。
でもなんて言う?彼女に黙って未来を見たって言ったら
嫌われるかもしれない。
学校中に噂を広められて登校できなくはるかも…。
…いや!そんなこと心配してる場合じゃないだろ!
好きな人の大切な人が危険な状態だってわかってるのに放置するなんてありえない!
俺は落ち込んでいる彼女の腕をつかむ。
急なことでびっくりした表情の彼女は、俺を見た。
「悪い…。ちょっとついてきて。」