最後のチャンス
「平田くん。少しいいかね?」
「はい!編集長。」
「かけて。」
「失礼します。」
「突然で悪いんだけど、次の記事の出来が悪かったら辞めてくれるかな?」
「何でですか!?」
「わかってるだろう?君の記事は確かによくできている。でも、相手に悪い印象を与えやすい。それに、先日の会食で議員さんに失礼なことをしたんだろう?」
「失礼なことって…あの議員がセクハラしてきたから!」
「君が先生を怒らせたおかげで独占取材のチャンスが消えてしまった。」
「そんな…」
「とにかく、次が最後の機会だ。ビッグなネタが無かったらやめてもらうからね。」
「どうしよう…」
折角、地元から東京に出てきたのに…。狂瀾会の氷室さんに抗争に巻き込まれた時に助けてもらって、少しでも役に立ちたいって思ってここまで来たけど…
氷室さんは抗争中に命を落としてしまったみたいだし…夢だった記者も終わっちゃいそうだし…
「恵ちゃん?」
「みつるさん…」
「もし、特ダネが欲しいならいい人知ってるわよ?」
「ほんとですか!?」
「わたしも直接会ったことはないんだけど。私、山若連合に幼馴染がいるって言ったわよね?」
「はい。確か…若頭補佐だとか?」
「そうそう。そいつから聞いたのよ。山若連合の会長暗殺を中学生探偵が未然に防いだって。その子…凄い情報網持ってるらしいの。交換条件出してくるかもしれないけど…後がないんでしょ?頼ってみたら?」
「はい…私、行ってみます。」




