ぜひ、やります。やらせてください!
「絶対無理です」
俺のその言葉に向こうの護衛たちが、銃を抜いた。
銃持ってんのかい!
ただ、フォックスは片手を挙げてそれを制した。
すると護衛たちは銃を降ろす。映画みたいだ。
「その言葉には意味があるのだろう?」
「勿論。」
「聞かせてくれるかい?」
「俺の能力には、制限がある。」
「その制限とは?」
「俺がいない場所の過去や未来は見ることができない。写真や証拠があれば見れることもあるが、完全じゃない。」
「つまり、君がアメリカにいる間に再度事件が発生しする可能性がないと能力を使えない…そういうことかな?」
「ええ。その認識で合ってます。つまり、ここでは私は無力です。」
「…」
すると不意に考え込むフォックス。勿論、俺は最悪な想像をしているけど、申し訳ないけどそれは無理。
「フォックス。悪いが、彼をアメリカへは行かせないよ。それは私も了承できない。」
「それはわかっている。なら、証拠を集めて改めて来るとしよう。最低限の情報が得られれば捜査の決定的なものとできる可能性もある。」
「それなら、ただ、次回もあるなら報酬は君が用意するんだぞ?」
「報酬?」
「彼は別に私の部下というわけではない。警察に協力してくれているだけだ。」
「なら、捜査に協力してくれたら1万ドル。彼の証言によって事件が解決したら、追加で100万ドルだそう。」
「随分と豪勢ですな。」
「被害者には多国籍企業のCEOの娘もいた。今後、より多くの重要人物が狙われる可能性がある。それを事前に防げるのならば、100万ドルも高くない。」
不労所得で、1億以上が手に入る?
「やります。やらせてください!」