アメリカの連続殺人犯?知らないよ
「冴島君。申し訳ないが、今週末に県警まで足を運んでもらえるかい?」
授業が終わり、部活のない火曜日。帰宅しようと校門を出ようとしたとき、俺の前に黒塗りの車が止まり、
村上警視監が窓から顔をのぞかせた。
「何かあったんですか?」
「申し訳ないが、ここでは話せない。今週末にすべて話そう。済まないが、頼めるかい?」
「良いですけど、報酬もきっちり貰いますよ。貴重な週末を潰すんですから。」
「あぁ。では、御自宅に迎えを出すから、それに乗ってくれ。」
「わかりました。」
そして、今、俺は小学校の修学旅行ぶりに国会議事堂に来ている。俺の前を村上警視監が歩きその周りを彼のボディーガードが、そして、俺の後ろを俺の護衛たちが歩いている。
「村上さん。そろそろ教えてくれませんか?」
「目的地についたら話すよ。客人を待たせてるんだ。悪いが、少し待ってくれ。」
「…はい。」
「済まないね。」
それから暫くして、委員室の一つに俺達は入った。
そこには白人のお偉いさんとその護衛たちがいた。
なんか、面倒な予感がしてきた。
村上さんが言うには、彼らは中央情報局つまりはCIAだ。映画やドラマに出てくるあれだ。
おそらく、俺の情報を何処かで掴んで利用しようとしたのだろう。
「まずは挨拶からしておこうか。ただ、本名は名乗れないのでね。私のことはフォックスと呼んでくれ。」
「それで、フォックスさんは俺に何の用ですか?」
「君が予想していることだよ。」
「それが何ですか?」
「アメリカ国内にて、連続殺人事件が発生している。君にはその犯人を特定してもらいたい。」
「絶対無理です。」