アホ教師は墓穴を掘る
「冴島…。お前、俺のダチに何した!?」
暴走族の悪共が俺の護衛たちにじっくり絞られた次の日、新任の横暴教師が俺の胸倉を掴み、そう言った。
「なんのことです?」
「とぼけるんじゃねぇ!俺のダチが精神病にかかって入院しちまったんだよ!」
「ですから、どうして俺に関係あるんです?彼らのこと見たこともないのに?」
「しらばっくれるんじゃねぇ!」
「何事かね…。」
ほれみろ、クラスで大声あげるから宮崎先生来ちまったじゃねぇか。知らねぇぞ、おれは。あんたは新任の教師。俺は教師陣からの絶大なる信頼を勝ち取っている模範的な生徒。どっちを信じるかね?
「この生徒が私の友人に危害を加えたんです!」
「危害?具体的に何を?」
「それは…わかりませんが。全員、精神病にかかったんですよ!」
「よくわからないのだが、どうして冴島くんがやったと君は言い切れるんだね?君の友人と彼は初対面なんだろう?」
「…!」
「あ…、もしかして、昨日、下校中に俺をリンチしようとしていた暴走族のことですか?」
「暴走族?どういうことだね?」
「俺もよくわからないんですが、急にバイクに囲まれて金を受け取ってるからなんだと言って、襲われそうになったんです。」
「だが、怪我していないな?」
「そりゃ、俺には警視庁から優秀なボディガードが常駐していますから。事前に襲撃の可能性を知らされ、その場で彼らを拘束してくれました。その後については、彼らに一任したのでよく知りません。」
「なるほど…。それで?どうしてその人らが冴島くんを襲ったと言い切れるんだね?」
「それは…」
「校長室で正直に話してもらおうか…今すぐ。」
宮崎先生って柔道の有段者で、高校のときに全国大会で優勝していて、オリンピックの候補にも挙がったこともある実力者だ。
抵抗しようとしたアホ教師を投げ飛ばすと、無理やり連れて行った。
どうして俺の周りにはこんなにもアホが多いんだろう…。