お前のせいで…あいつは! 知らねぇよ。
正門で面倒くさい親に絡まれた俺は、疲れた状態でクラスに着いた。
「おはよ〜」
俺がいつもと変わらぬテンションでクラスに入ると、クラス全員が俺の方を振り向いた。
「なんだよ…怖いなぁ。」
俺は自分の席である後ろの1番左の席に座った。
俺が1時間目の準備をしているとクラスのガキ大将的立場のやつが近づいてきた。
「なに?」
「なに?じゃねぇよ。お前のせいで俺の親友が死んだ。お前のせいでどれだけの友達が傷ついたと思ってんだ!」
「は?俺がいなかったら、お前らも今頃熊の腹の中だ。逆に感謝してほしいもんだね。」
俺は、支度を終えるとごねてるガキ大将の方へ向き直った。親も親なら、子も子か。
「そもそも、俺が事前に猟友会のメンバーを敷地内に連れてきていたからあれぐらいの被害で熊を討伐できたんだ。あのとき、猟友会がいなかったらどうなってたと思う?」
「どうなってたって…知るかよ。」
「担任も殺された状態で、まともな判断ができる状態でなかったお前らが、人食い熊に勝てるわけねぇだろ?コテージに取り込まれて全員彼奴等の食料になってただろうよ。」
「…なら、俺たちを連れて帰ってくれれば。」
「だから、宮崎先生から避難指示あっただろ?それを無視して楽しげにキャンプファイヤーやってた馬鹿どもは誰だよ?」
「それは…」
「この状況で熊以外に彼奴等を死に追いやった犯人がいるとしたら、俺と一緒に逃げた彼女達を除いたお前ら全員だ。俺に怒る前に反省したらどうだ?」
馬鹿だもは、俺に詰められるとしどろもどろになり、
自分の席へ戻って行った。
当分…面倒になりそうだな。