どうして、私の息子も助けてくれなかったの!
次の登校日、予想はしていたが最悪の展開が待っていた。俺が中学校に登校すると正門に複数人の親御さんが集まっていた。その人達は俺を見つけると結束を変えて走り寄ってきた。
ただ、宮崎先生が俺と彼らとの間に割って入ってくれはしたが…
「君が、大貴くんかね?」
「そうですけど…それが何か?」
「どうして、私の息子も助けてくれなかった!?」
「…はい?」
「君は事前にあの未来を知っていたんだろう?なのに何故自分だけ避難したんだ!?」
「聞いていないんですか?私は事前に学年の担任と施設運営の方に状況説明と危険性については猟友会の方達と報告を挙げて、避難したほうが良いと伝えましたがね。」
「見苦しい嘘を付くんじゃない!」
「嘘じゃないですよ。録音聞きます?」
「録音…だと?」
「ええ。俺は間違いなくこういう展開になると踏んでいたので、ボイスレコーダーに会議の音声を録音してあります。因みにこの音声は、バックアップを取って、警察の方にも参考資料として提出済みです。それでも何か私にはなしがあるんですか?」
「いや…ならなぜ私たちの子供も連れて行ってくれなかった!」
「何故、私に助ける義務があるんですか?」
「なに?」
「確かに友人関係ではありますが、助ける義理まではないですよね?そもそも、宮崎先生から報告と避難指示があったのに無視したのは、他の担任の先生たちと生徒ですよね?」
「…」
「ご自分の子供を考えるのは親御さんとして当然ですが、事実を棚に上げて苦情ばかり並べるのは不愉快ですのでやめてください。これ以上私に言われるのでしたら、警察を呼びますので。」
「…」
「これで以上のようですので、これで失礼します。」
俺は彼らを宮崎先生に預けるとそそくさとその場を離れ、教室へと向かった。