なら、俺のとこで働きます?
「大貴くん。この度は本当にありがとうね。何から何まで。」
「いいっすよ。俺も好きなこの前で格好つけたかっただけですし。」
「真理が羨ましいわ。こんなに好きでいてくれる人がそばにいてくれるなんて。」
「そうかなぁ…。」
「そうよ!真理、今すぐではなくてもいいから、自分の気持ちはちゃんと伝えなきゃだめよ?」
「うん…わかってるよ。」
「別に俺は急がないから。それより、真理のお母さん。仕事大丈夫なんですか?」
「それね…また探さないとね。」
「結婚前はどちらで働いていたんですか?」
「?旦那の経営していた病院で事務員兼秘書をしていたわ。」
「なら、事務作業には強いってことですか?」
「まぁ、病院の資料って社外秘みたいなものが多いしね。あ…社外秘ってわかる?」
「わかりますよ。大丈夫です。」
「でもなんで?」
「俺、今度警視庁からの依頼で私立探偵事務所を開くことになったんです。」
「事務所を?」
「ええ。そこで事務員として働きませんか?おそらく運営は警視庁が行うと思います。これでも俺、警視庁のナンバー2と仲いいんですよ。」
「危なくない…?」
「セキュリティは万全にしますし、送迎付きで建物内には警察組織から護衛も置きます。また、自分の近くには既に護衛を常駐させてるそうなので、真理さんに危険が及ぶこともご心配いただかなくても大丈夫です。」
「そうなのね。」
「それに、パートで働くより僕のところで正社員採用されたほうが給与も十分にもらえると思いますし、来ていただけるなら社員寮も別途用意しますよ。真理さんと2人でも十分に暮らしていけるように。」
「そこまでしてくれるなら、断ることもないわ。また頼ることになってしまうけど、よろしくね。」
「こちらこそ、今後とも宜しくお願いします。」