友達としか見れないんだよね
「どうして?」
「どうしてって。好きだからだよ。真理は、覚えているかどうか分からないんだけど、小学4年の学級委員活動中に告白したじゃん。」
「それは覚えてるけど。」
「皆は、玉砕して他の子に恋してるみたいだけど。俺は今も真理ちゃんの事が大好きだから。好きなこに振り向いて欲しくて、好きな子がして欲しいことをするのが男の性ってもんだよ。」
「そうなんだ。」
「ねぇ…前から気になってたことあるんだけど、教えてもらっていい?」
「何?」
「何で、誰一人とも付き合わないの?うちの学年だけでも格好いい奴とか運動神経良い奴とかいるじゃん?」
「ん…皆友達として見れないんだよね。」
「そっか…。」
何か今ならできそう…
そう思った俺はここ見られたらクラスどころか
学年の男子全員から絞め殺されるかもしれないけど、
彼女を後ろから抱きしめた。
「へ…」
「やっぱり…友達としか思わない?」
「…わかんない。でも、嬉しい…かも。」
嬉しい…か。まぁ、意識されていないところからすれば大進歩かな。今日はこの辺にしとくか。
流石にギザ過ぎるけど最後にこれだけ…
「俺…諦めないから。」
俺は彼女の耳元でそうやってつぶやき、
もう一度強く抱きしめた後、離れた。
「さぁ、戻ろう。」