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依頼の内容

「家出した娘を探してほしい。」


俺が真理ちゃんのお母さんと真理ちゃんとがんセンターに来たとき、挨拶した医局長の近藤さんから依頼された内容だ。


二人は絶賛検査中だ。俺はというと、局長の部屋で娘さんの写真を見せられ、依頼の内容を聞いている。


「最後に娘さんをみたのはいつなんですか?」


「一昨日だよ。昨日も親戚や知り合いに確認しているんだけど、全然見当がつかないんだよ。」


俺は彼女の写真に集中する。

見えてきたのは大きな倉庫だ。どこだここ?


日付は明日。時間は…9:00?

未来予知はあくまでも未来を見てるから、俺の存在は

気づかれることはない。


…佐那山薬品株式会社 第3倉庫?

俺はその倉庫を歩き回っていると女の子のすすり泣く声の聞こえた。これは上の階?


俺は2階へと向かった。そこには周囲に剝かれたと思われる無残な服の残骸と性的暴行を受けたと思われる女の子と姿。


見た目から局長の娘さんと断定できる。

でも…いつ襲われたんだ?


すると、映像を巻き戻すかのように過去に戻っていく。こ…これは新たな能力か?


巻き戻しが止まったのは、今日の午後17:00

すると2階から男の怒鳴り声と共に、女性の泣き叫ぶ声が聞こえた。


つまり、今日彼女は襲われた。

彼女は、家出したわけではなく、誘拐されたんだ。

先程の服も明らかに部屋着だった。

家出するような格好じゃなかった…。


でも、犯人は誰なんだ?

俺は嫌嫌、暴行現場へと向かった。


そこには暴行男と周囲の監視をさせられている男が見えた。暴行男の胸元には、佐那山薬品株式会社 薬品研究部 管理課課長 長元剛とかかれている。


誰かは知らないけど、ここまでわかればあとは警察の仕事だ。


俺は意識を写真から戻した。


雰囲気に戻った俺を見て心配そうに局長が俺を見た。


「何かわかったかい?」


「娘さんは、家出ではなく、誘拐されたようです。」


「誘拐!?一体誰に?」


「私も良くは分かりませんが、佐那山薬品株式会社の人間が主犯格のようです。」


俺がそう言うと局長は、棚にかけられてあった写真を床に叩きつけた。


「錦戸の野郎…。恨みなら俺に直接伝えればいいものを。娘を攫うとは…。」


「近藤局長。お知り合いですか?」


「以前まで利用していた薬品会社だ。だが、社内改ざんや薬品の質の悪化から最近契約を打ち切ったんだ。その腹いせだろう。」


「今すぐ、村上警視監に連絡し、娘さんの救出に向かわないと大変なことになります。」


「何故だ。」


「佐那山薬品株式会社 薬品研究部 管理課課長 長元剛という男は御存知ですか?」


「ご存知も何も、ここに薬品を届けに来ていた男だ。礼儀も何もあったもんではなく、ここのナースを口説こうとして断られたことで暴力を振るおうとしたことで、一度停職処分となった。あの会社との軋轢が生まれた原因となった男だ。やつがどうかしたのか?」


「今日の17:00奴は娘さんを強姦します。」


「何だとっ!」


「ですから、今すぐ村上警視監に連絡を。場所は薬品会社の第3倉庫です。」


「わかった!」


助かればいいけど。

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