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やめないでいようと思う

作者: 朝焼 悠

僕はやめない

やめたら死ぬと思っていたから

誰からも忘れられて

誰に知られることもなかった

部屋の中で

ただ

ただ

時間だけを見送っていた


思い出がない

写真もない

何か残さないと

生きてきた

生きている意味がなくなる

それが始まりで

唯一の方法だった


一人で

僕の中ではずっと

ずっとと感じる時間

書き続けた

ノートに綴るだけで

完結していた

僕の絶望や不満や呪詛

そして希望の言葉の数々


ずっと

ずっと

何もできなかった僕の

唯一の救い

唯一の爪跡として


そうやって命に

みっともなく

しがみついて

しがみついた先で

どうしてか

今は何もできない

ではなくなっている


毎日外に出て

使えないって

きっと舌打ちされながら

相変わらずできないばかりだけど


ヘトヘトになりながら

心も擦り減らしながら


それでも

何故か僕は

何もならなかった

書くことを続けている


いつの間にか

ノートの中で完結しなくなった言葉を

こうして書き並べて

一人ぼっちとは言わないでいられる

そんなふうに思えるように

ようやくなったのに


きっとまた

そのうちに

ノートの中で完結する

一人遊びに

自己満足に

戻っていくのだろうけど


やめないでいようと思う

こうやって

書くこと

続けられるうちは

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