ちょっとした問題
「うーん、どれにしようか……」
沢山の依頼の用紙を前に、俺は腕組みをして悩んでいた。いろいろな仕事があるのだが、どれも簡単過ぎる。『薬草採取』『ワイバーンの巣の討伐』『オークの討伐』……
「よし、これにしよう」
そう言って、『ワイバーンの巣の討伐』の用紙に手を伸ばした。用紙を掴む……と同時に、横から伸びてきた手が用紙を掴んだ。
「ちょっと、新人なのに何でしゃばってるの?」
その手を伸ばしてきた人が話しかけてくる。
「俺の実力ならワイバーン程度は余裕だ。ドラゴンじゃないのが残念なくらいだ」
「おいおい新人のあいつ、ミスリル級のティアラに喧嘩売ったぞ」「やべえな、殺されるんじゃねえのか?」 そんな声が外野からする。
「はあ!? 身の程知らずにも程があるでしょ」
「やかましい。なんだったら一緒に依頼を受けるか? 冒険者同士の協力は可能だろ?」
「なんで銅級のあんたなんかと協力しないといけないわけ? わかったらさっさと依頼を譲りなさい」
『わかったら』と言われても、全く分からないのだが……それは置いておいて、気になる言葉が聞こえた。
「銅級ってなんのことだ?」
「はあ!? そのプレート見なさいよ。銅の色でしょ。ちなみに私はミスリル級よ」
一応糸を通して、首にかけておいたプレートを指差して、教えてくれる。
「よし。なら、協力しよう。それで俺の実力を見せてやる」
「はあ……じゃあいいわ。協力して依頼を受けましょう。た・だ・し。一匹もワイバーンを狩れなかったら、冒険者を辞めて、この街から出て行きなさい」
「分かった」
相手が折れてくれたので、依頼は二人が協力して受けることになった。受付の人に協力することを伝えると、『はあ!?』という目で見られた。
正式に依頼を受けることが決定したので、街の外の森の中に来ている。
「あんたさ、なんでそんなに自信あるわけ? 厨二病?」
「はあ? 厨二病って残念過ぎるやつじゃねえか。生死わけるところで厨二病になれるかっての」
あまりに心外なことを言われたので、口調が普段の『半・ヤンキー』口調になってしまう。
「じゃあ何な訳? ワイバーン、空を飛ぶの分かってるでしょ?」
「そんなこと気にしてんのか? 上空にいようがどこにいようが、斬撃ぶっ放して叩っ斬ればいいんだよ」
「はあ……できるのそんなこと」
「後で見せてやるよ。ほら、ワイバーンの巣が近づいてきた」
ワイバーンの『グルルル』という鳴き声が聞こえてきた。
「じゃあ見せてやるよ、俺の実力を」
そう言って俺は、そこら辺に落ちていた木の棒を拾い、無造作に振った。
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