表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

1話

 肌寒い春の風が吹く砂浜。その砂浜に、女が一人歩いていた。

 歳は二十前後だったはず。捨てられた子供だから、女自身も自分の正確な年齢を知らなかった。名前はカリナと言う。

 

「……」

 

 肌寒く、もの悲しい砂浜とはいえ、景色が悪いわけではない。むしろ、寄せて返す海の波は美しいし、そばに広がる森が風に揺られる光景も、見る者を魅了するだけの魅力はある。

 しかし、カリナの表情は暗く、俯いたままだった。周りの光景になど目もくれず、何も見ないようにするかのように足元だけを見て歩いている。

 いや、カリナは何も見ないようにしているわけではない。カリナは足元を見て歩いているのだ。もっと正確に言えば、足元に広がる砂浜を見つめて歩いている。

 

 カリナの歩く砂浜。ここはある富豪の所有しているもので、誰も入ることはできない。カリナがここには入れているのは、カリナが仕えている主人がその富豪だからだ。

 そんな砂浜なのに、そこには足跡が大量についていた。それも砂浜を右から左へ、規則正しく往復したかのような不可解な足跡が……。

 

 そう、その足跡はカリナ一人によって残されたものだ。

 

「私はどうして砂浜を歩いているのでしょうか……?」

 もちろんカリナはその理由を知っていた。

 挿絵(By みてみん)

今日中に投稿し終わる短い話です

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ