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臆病者

作者: 月白 深夜

ぼやけるほど絡まった糸を掻き分けて

何もない場所に辿り着いた

視界を塞ぐものはないけれど

見たいものまでなくなった白


思い通りにならないことばかり

どうして千切ってはいけないの

声に出したら反射してしまう

青い(から)にすら張った電線


ああ、どこに行ったら自由に歌えるのだろう

絡まりすぎた赤い糸なんて誰と繋がっているのかもわからない世界で

意味などなくても歌いたい

掌で包むほどの小さな自由を僕はまだ持っているんだって

冷えた声を詰め込んで止まった喉


それにすら怯える僕は


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