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宇宙から還りし王第23回■ケインはスターリング長官から山稜王抹殺の指令をうける過去場面を思い出す。が今は山稜王の宮殿でとらわれている。

宇宙から還りし王(山稜王改題)第23回■

(1978年作品)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/



 宇宙省のビルだった。

スターリング長官が前にいた。


「いいかね、君が頼みの綱なのだ」

 ケインは至上命令で、本省へ呼びもどされていた。


 椅子にかけたケインヘ、スターリングは質問する。


「ケイン君、君は『山陵王』の本を読んだことがあるだろう」

「もちろん、あります。禁書を読んでおかねば、反対勢力の動向が

わかりませんからね」


 「それでどうだね、「山陵王」は」

 「確かにあの本は危険です。あの本の言葉は言語メディア以上の力

を持っています。私ですら、あの本によって心の琴線を動かされま

した」



 「そう、それがこわいのだよ。ケイン君。それがね。それじゃ、君

に山陵王を倒せと命令すればどうだね」

 「山陵王は実在するのですか」


 「そう、山陵王とはゼルシアに居るネイサン自身なのだ」

 「それではネイサンの動きをふうじろというわけですね」


 「他に方法はない。奴を処分しろ。が、充分注意してほしい」

 

「といいますと」

 「宇宙省に限らず、情報省のエージェントが、ゼルシアで精神障害を

受けたのだ。おまけに行方不明者もでている。君の友達のリーファーくんだ」


「あの切れ者、りーファーがですか」


「そうだ。いいかね。ケイン、『地球意志』が君を選んだのだ。名

誉に思いたまえ」


 ケインは地球連邦評議会ビルヘ連れて行かれ、地下で『地球意志』

がケインの精神に投下された。


 誰かが頭を揺さぶっている。


ゆっくりとケインの眼が開く。


肩を揺さぶっていたいたのは、、アゴルフォスだった。


ケインはようやく夢から脱し、現実世界に戻れたのだ。


 「ケイン、目的地についたぞ」

 アゴルフォスはニヤリと笑う。


どういう意味の笑いだ。

挑戦か、あるいは…。

 

しかし、ケインは、、その山上宮殿の美しさに、眼をうばわれていた。


デジャビュ(既視感)があった。

先刻のリーファーの夢にでてきたのだ。

 


宮殿は、まるで一個の生物だった。


密林の中に生きている一個のけもの。しかしそれは世の中に存在する一番美しいけものだろう。


そして、それは同時に植物でもあった。巨大な樹の影がドームを被

っている。


 (続く)20140213

■宇宙から還りし王(山稜王改題)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/


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