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宇宙から還りし王第16回暗殺者ケインは、宇宙省と情報省が、山稜王ネイサンの思想の世界普及を防ぐため ネイサンの出版エージェント・ネフターを殺す場面を追体験。

宇宙から還りし王(山稜王改題)第16回

(1978年作品-2020年改稿)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/



■ケインは、まだ意識がスリップしている事に気づく。


今 自分はゼルシアの山稜王ネイサンの宮殿にいるはずだ。


だが、目の前のキメラ獣・アドルフォスが、自在に宇宙情報局の自分、ケインの

意識を自在に操り、宇宙から帰ってきた男ネイサンに関連する人間たちの生きざまを

体験させているのだ。


 ■情報局の長官キーンは出版社エージェントのネフターの肩に手をおき、

「リゲル産の酒だよ、どうだね」


 「キーン、その酒は」 宇宙省長官スターリングが声をかける。


山稜王ネイサンの本・コンテンツの流通について禁書扱いをエージェント

・ネフターに依願していたところなのだ。


「わかっているよ、ジェームス、この酒が特殊なのはわかっている。さあネフター君、この酒を飲みたまえ」


「いや、それは」


ネフターは急に現れた三人の背広姿の男達に押さえつけら

れている自分を発見する。


口を開けさせられ、無理やりにリゲル酒が流し込まれる。


「窓を開ろ」


ネレトバが男達に命令する。地上45階の窓は三重窓に

なっていた。ようやく全開される。


 「いいか、ジェームズ、こ奴は、事故で死ぬ。リゲル酒を飲みすぎ

て、頭がおかしくなり、窓から飛び降りたのだ。ジェームズ、わか

っているな」


 「わかった。キーン、君にまかせる。君の好きなようにしろ」


スターリングは自室を出ていこうとして、ドアの所でふりかえる。

 

「いいかね、キーン。こんな事は、今度からは君の部屋でやってく

れ」スターリングはドアを閉めた。


 ネフターは背広姿の三人の大男にさからっていたが、勢いをつけ、

窓の外へ放りなげられた。


 「うわっ」


ネフターの目の前で、空港の光や街の光がくるくると廻

る。風が急激にネフターの体をおそう。


落下しているネフターは気を失ないそうになる。


その瞬間、ネフターは上から肩をつかまれた。

落下がとまる。

ネフターはゆっくり上を見上げた。そこには見知ら

ぬ男の顔があった。が下は鳥の姿なのだ。キメラ獣だ。


ありえない。これは悪夢だ。ネフターは気を失なった。

下の階へのストリップエレベータ-に乗っていたスターリングはそれをみて

叫び声をあげていた。


「リーファーー」


自分スターリングの部下が、キメラ獣に変貌させられている。山稜王ネイサンのしわざだ。

ケインの前任者。山稜王ネイサン暗殺のためにゼルシアに派遣したのだ。


 ■ケインはまたもや、意識がスリップしている事に気づく。初めは

ネフターで、あとはリーフアーの意識だ。


 (続く)宇宙から還りし王(山稜王改題)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

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