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黄金の雨

挿絵(By みてみん)


 突然エピゴノスの足元から何かが伸びてくる!!!


『こんな物!!!』


 エピゴノスの剣で薙ぎ払うが……


『切れない!? 嘘だろ!?』


 デシメーターを簡単に真っ二つにした剣でも切れないなんて!!!

 そのまま足元から伸びた何かに全身を絡め取られる。


 ―――グググググググググ!!!―――


『う、動けない、何だこれは、海藻?』


 光る海藻みたいなものがエピゴノスの全身に巻きついてる。


『くっ、苦しい』


 エピゴノスのダメージや感覚はダイレクトに伝わってくる。


『フフフフ、3000年前に私のご先祖様がペルシャ湾の辺で半魚人から教わった技ですわ、効き目は如何ですか?』


 マジで動けない、エピゴノスの動きを封じるなんて、ナタナエルさんとんでもない技使うな。


『むっ、なんだこれは? 本当に動けんな』


 アトも自分と同じように動けないみたいだな。


『チッ、あちら側からの攻撃か、仕方ないから切って来るか』


 なんだか分からないが、アトの体がそのままズブズブと地面にめり込んでいく。


『おい!!! アトさんまた何処行くの!?』

『この体に巻きついた物を解除しに行ってくる』

『え!? 俺も動けないんだけど!!!』

『まあ、私が帰って来るまでなんとか耐えろ、良い訓練になるだろ?』

『なっ!? スパルタ過ぎだろーー!!!』


 ―――トプン―――


 なんて音を起て地面の中にアトは居なくなってしまった。

 あわわわわわ、動けないのに一体どうしろと……

 デ、デ、デウッサーデは!!!


『しかし半魚人って、本当に怪しい技だな……』


 慌ててデウッサーデを確認したが、なぜかペトロさんがナタナエルさんに半漁人の事を突っ込んでいた。


『五月蝿いわね!!! 効いてるんだからいいでしょ!!! 今のうちにあんたはミコト様をなんとかしなさい!!!』

『りょ、了解!!!』

『裕也様!!! 今助けます!!』

『ミコトさんお願いします!!』


 スサノオさんがこちらに向かってくる。

 しかしデウッサーデがエピゴノスとスサノオさんの間に割って入る。


『そうはさせません、ミコト様にはこれで大人しくして頂きましょう』


 デウッサーデが両手を上げる。


挿絵(By みてみん)


『出でよ、黄金の雨!!!』

『なっ!?』


 高々と上げられた両手から雲が現れる、そして雲からスサノオさんに向かって何かが放たれる。

 それはまるで真横に降る金色の雨の様だ。


『スサノオ様!!! 草薙剣でガードを!!!』

『ミコト殿?』


 スサノオさんは草薙剣を黄金の雨に向かって回転させる、ブラックホールのような空間が生まれ黄金の雨を飲み込む。


『これは、もしや……デウスの……』

『そうです、流石に博識ですな、この黄金の雨はかつて大神デウスがその身を変えてダナエ王女との間にペルセウスをもうけた技、まともに雨を浴びれば妊娠してしまいますぞ』

『くっ、これでは動きが……』


挿絵(By みてみん)


『えっ? ミコト殿、どういうこと? この雨みたいなもの食らうとどうなるの?』

『スサノオ様がママになってしまいます!!!』

『なっ!!! それは困る!!! 拙者ママは困るでござるよ!!!』

『はい、私も困りますので全力で防ぎましょう』

『お、おうさ!!!』


 なんだか分からんが、あの雨みたいなものを食らうと妊娠してしまうらしい、ななな、なんちゅう技だ。

 しかしミコトさんを助けたいが動けない、くそ!!!

 足掻いているとモニターにナタナエルさんが映った、なんだ???


挿絵(By みてみん)


『こら、ペトロ、あんたその技今すぐ止めなさい』

『は? 何を言ってるんだ? 現にこうして足止めに効いているじゃないか』

『ところでその黄金の雨を食らうと誰の子供を妊娠するのよ』

『そりゃあ、デウスの子か、もしかしたら俺の子供かもしれんが……』

『今すぐその下品な技止めなさい』

『いや、だから、効いてるし……』

『今すぐ止めろって言ってるのよ!!! 止めないと海藻の鎖を解いてあちら側に寝返るわよ!!!』

『!?、わ、分かった!!! 全く何なんだ一体……』


 おっ、黄金の雨が止んだ。


『雨が止まった?』


 ナタナエルさんに一喝されてペトロさんが黄金の雨を止めたみたいだ。

 なんだかよく分からないが、あの技がナタナエルさんは気に入らないみたいだ、助かったーー。


『全く、女は何を考えているか分からんな、仕方ない、代わりにこれを使うか』


 デウッサーデはまたも両手を高く上げる。


挿絵(By みてみん)


『出でよ!!! ヘパイストスの鎖!!!』


 デウッサーデから無数の鎖が放たれる、さっきの鎖か?


『ミコトさん!!! 避けてください!!! ミコトさん!?』


 ミコトさんは鎖が見えていないのかアッサリと捕縛されてしまった。


挿絵(By みてみん)


『な、何ですかこれ!!! 見えない鎖?』

『くっ、これは鎖でござるか?』

『かつてアフロディーテとアレスの不倫現場を押さえたペパイストスの見えない鎖ですな、まあ白き騎士様には見えているようですが……』

『そんな鎖に繋がれるのはイヤーーー!!! (泣)!!!』


 ミコトさんもがいてるけど解けないなあれは、というかなんか下ネタ多いな、ギリシャ。


『おのれデウッサーデ、次から次へと何個武装があるのか……』

『ふふふ、このデウッサーデ、添柱の中では抜きん出た力を持っていますゆえ侮りまするな』


 あわわわわ、アトはまだなのか、これじゃこのままやられてしまう。

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