自由を奪う印
ドゴン!!!
『ぐうわあああああっ!!!』
『オデッセウス!』
オデッセウスとペネロペの悲鳴がモニター越しに響く。
アトが指パッチンをした瞬間、オデッセウスの左腕が爆発した。
同時に積木人形の左腕も吹き飛ぶ。
『なんだ! 今のは奴の攻撃か? まったく見えないぞ!』
『オデッセウス! 今日は様子見だ! 退くよ!』
『馬鹿野郎! このまま退き下がれるか!』
左腕から大量の出血をしつつなおも退き下がらないオデッセウスを尻目にアトはそのまま無言で指を鳴らし続ける。
パチン!
パチン!
パチン!
モニターの中、積木人形とオデッセウスの右腕と両足が同時に爆発する。
『――――――――!!!!!』
もはや声にならない悲鳴を上げてオデッセウスは倒れた。
『だから言ったろう! 今のオマエとアイツじゃあ天と地ほどの差があるんだよ!』
『ガハッ! ふっ……ふざけ……やがって……』
両腕、両足をモガレなおも闘争心を失わないオデッセウスに対してアトは指先にさらに力を込める。
おそらく次は首を吹き飛ばすつもりだ!
『今日は退く! オデッセウスわかったな!』
『オイ……勝手なまねは……』
オデッセウスがそう言うと積木人形はフッと姿を消した。
『フゥ……』
オデッセウスが去り、先程までの喧騒から一転、鳥籠の中を静寂が包み込む。
『おいアト、あいつらは一体……? アト!』
オレが話し掛けると突然アトが倒れた。
慌てて駆け寄りアトを抱きかかえる。