安徳天皇
ガッキイイイイイイイン!!!
その瞬間! 子供とは思えない捌きで安徳天皇が斬りかかった!
まるで予知していたかのように動き、スサノオさんも草薙剣で捌く。
さらに返す刀で安徳天皇が斬りかかる。
ガキィイイン!!!
スサノオさん返す刀でまたも捌く。
スサノオさんは一旦海上で姿を消すとミコトさんの傍で実体化した。
『平家物語には安徳天皇がオロチの使いであると記されている。まったく藤原行長も気が利くことだ』
『やはり罠でしたか……』
ミコトさんが厳しい表情で呟いた。
『罠?』
『はい。あまりにもタイミングが良すぎましたので』
『タイミング?』
『天叢雲剣が偽物と判った途端、壇ノ浦に発生した天叢雲剣の気配』
確かに言われてみれば次はここだよと言わんばかりの展開だ。
安徳天皇を包み込むように、海中から無数の触手が伸びる。
みるみる巨大になり高く伸びる触手の群は次第にそのカタチを人型に変えていく。
『あれは!』
触手の群はスサノオさんのような姿になった。
まるでエメラルドの触手で造られた、スサノオさんのレプリカだ。
『なんと……』
スサノオさんも流石にこれは予想外だったのか呆気に取られている。
オロチの手に光る刀が現れる。
『天叢雲剣!』
スサノオさんが叫ぶとオロチは天叢雲剣を構えた。
『万世史記にはあんなオロチの行動は記されていない。スサノオ様はあのようなオロチをご存知ですか?』
『いや、私も初めて見る形態だ。しかし、オロチはあれで学習しているのかもしれない』
『学習ですか?』
ミコトさんが怪訝そうな表情で聞き返す。
『何度か我々と戦い、観察してあのようになったのだろう』
『スサノオ様! こちらも!』
『わかった! ミコト殿!』
ミコトさんが草薙剣をかざすと、緑色の光がミコトさんを包み込み、スサノオさんの本体が現れる。
あわわ! メカ戦だーーっ!
『アト!』
『なんだ?』
『オレ達もエピゴノスを!』
『もう用意してある』
『え?』
アトは意外な答えを返した。
『用意してあるって……何処にもいないじゃんエピゴノス』
アトに言われて辺りを見回したが何処にもエピゴノスは見当たらない。
『オマエが呼べば現れる』
『なに?』
『だから、オマエがエピゴノスを呼べば何処にでも現れるようにしておいた』
『呼ぶってどうやればいいんだよー?』
魔方陣でも描くのか?
『オマエがエピゴノスに来て欲しいと願えば現れる』
願うって言われても……
願う、願う、ねがう……
よく分からんが……
エピゴノス来てくれ……
その瞬間! 稲光のようなものがオレを貫いた!
『うおっ!』
思わず目を瞑る。
光が収まったあと、ゆっくりと目蓋を開けばそこは鳥籠の中だった。
ふーーっ。
『アトさん、もうちょっと穏便にならないかな?』
『オマエは自分がどれだけこの世界の法則捻じ曲げてるか分かってるか?』
逆にアトにツッコまれた。
ううっ…確かに……
『これでもかなり穏便なほうだぞ』
『はい、御尤もです』
そんな会話をしていると、別のモニターからスサノオさんがオロチと刃を交えてる音が聞こえてきた。




