あれれ?
うううっ……
なんだここは……外か……
ああ、あれ?
2階の教室で授業を受けていたはずだから、ここまで吹き飛ばされたのか?
意識はハッキリしている、体は不思議と痛くない。
だが動かない。
まるで意識と体が分離してしまったような、なんなんだこの感覚は……
世界がフラフラしてるような……
重い……こんなに腕や足って重かったかな……
脳からの命令なんてまるで受け付けない。
とんでもない力で地面に引き付けられているような感じだ。
目の前には佐々木が……
粉塵や血が体一面にこびり付いて……
ああっ……なんか佐々木の体が黒く……
佐々木は目をカッと見開いた状態で口を半開きにしたままこちらを見ている。
確か夢は、起きている間にあった出来事を脳が情報整理するために見るものだ。
だから知っているものだけで夢を構成しようとすると、矛盾が生じてストーリーは荒唐無稽なものになる。
俺は体が腰のあたりから真っ二つになったクラスメイトなんて見たことも無い。
佐々木の断面はオレが見たことも無いものをハッキリクッキリと映していた。
夢じゃないのか……これは……
『サウウウぅああぅう……』
佐々木を呼んだつもりがまるで声にならない。
――――クウウウウウウゥッゥゥゥッゥコーオオオッ――――――――
『!!!』
爆音が響く。
航空機の音だ。
それも戦闘機の。
かなり低い高度を飛んでいるようだ。
物心ついたときから小牧空港の近辺で育っている、飛行音で大体どんな航空機かは判る。
なんとか瞳を動かし辺りをうかがう。
崩れた校舎の向こうにパラボラアンテナが見える。
さらにその向こう、点のように戦闘機が見える。
ん? なにか戦闘機がキラリと光ったように見えた。
その光はまっすぐこちらに向かってくる。
正確にはパラボラアンテナに向かっていく。
ああっ、あれ、もしかして爆弾かな……
目の前が白く、ああっ……