学園内
ミコトさんの笑顔に見惚れてしまう。
どうしていいか分からず。
『よっ……よろしくお願いします!』
なんて言いながら深々とお辞儀をしてしまった。
『今日は学園を案内いたします』
ミコトさんに連れられ歩き出す。
結構広そうなんだけど、一日で全部周れるのかな……
エスカレーターを上がるとそこはかなり広いガラス張りの空間だった。
なんだあれは? ハンモックか?
丸い球体やおかしな形のテーブル、天井から吊るされたハンモックのようなものが無数に置かれている。
『ここは談話室になります』
『あの丸い球体はなんなんですか?』
『イスですね』
『はぁ……イスですか』
『ここで休憩時間を過ごしたり、研究アイデアをイメージしたりする生徒も多いです』
『そうですか……』
あの丸っこいの座りやすいんだろうか?
ハンモックなんてオレならそのまま寝ちゃうぞ。
あれ? ミコトさん変なこと言ったような。
そうえいば来る途中も研究室がどうとか言ってたような……
『ミコトさん、今、研究って言いましたよね?』
『ハイ、そのように申し上げました』
『えーーと、ここは高校なんですよね?』
『日本の学校式に言えば小中高大学までの一貫教育機関です、一応資料はお部屋に運ばせておいたはずですが』
そういえばなんか書類が沢山部屋にあったが、引越しの忙しさで目を通していない。
『すいません、忙しくてまったく資料には目を通してませんでした』
やばいな? 怒られるかな? 理事長だし。
ミコトさんはまったく怒る気配も無く。
『しかたありませんね。それでは今日の宿題は一通り学園の資料に目を通すと言うことにいたしましょう』
などと言いながら腰に手を当て人差し指を唇に当てるポーズを取った。
ぐはぁっ! 死ぬ! 萌え死ぬ! 誰か! お助け!
などどオレがミコトさんに悶絶しているとハンモックから一人の少年が現れる。
『ミコト! 久しぶり!』