ロンギヌスの槍
ふう、だいぶ地球に近づいてきた。
月から最大スピードで移動すると、あっという間に地球の近くだ。
あんまり自分ではわからないけど、たぶんこれ、メチャクチャ早いよねエピゴノス。
『ミコトさん達大丈夫かな?』
『たぶんまだ大丈夫だろう、しかもどうやら第二の五皇が復活したみたいだぞ』
『第二の五皇?』
『ああ、あのマリアとかいう女の柱神のことだ』
『え! じゃあキリストが復活したの?』
『そうだな』
えらいこっちゃ、え? クリスマスとかどうなるんだろ?
そんな話をしていると地球から何かがこちらに向かってくる。
『な、な、な、なんだよあれ? あれか、もしかしてデシメーターか?』
モニターに映るその物体は巨大な森の様な形をしていた、やはりあのデシメーターに見える。
『何かがデシメーターを押し上げているのか?』
その巨大な森を光る何かが押し上げている。
『アトさんあの光ってる物体はなによ?』
『地球からデシメーターを押し上げているのは、マリアの柱神が放った神器だな』
『押し上げてるのは、スサノオさんの草薙剣みたいなもんか?』
『そうだ、確かお前達人類がロンギヌスの槍とか呼んでいるものだ』
ロンギヌスの槍ってなんか聞いたことあるな。
そのままロンギヌスの槍は、デシメーターを突き刺したままオレ達を通り越して進んでいく、そして暫く進むと大爆発した。
『うおっ! 爆発したぞ!』
『あの槍は対デシメーターに特化した特別な武器のようだな』
『対デシメーターに特化って柱神の使い道なんて他に無いだろ?』
『…………』
スサノオさんの草薙剣も凄かったが、あのロンギヌスの槍も凄い、あんなに大きなデシメーターを跡形も無く木っ端微塵にしてしまった。
なんかまた自分の居ない内にカタが着いてしまったな、トホホ。
油断して月送りになってしまったし仕方無いか……
なんだ? ロンギヌスの槍が?
ロンギヌスの槍はデシメーターを破壊した後、踵を返して地球へと向かって行く。
『おい、アトさんよ、あの槍、地球に向かっていくぞ?』
『ああ、持ち主の所へ帰るんだろう、そしてそのまま柱神を貫いて人柱の完成さ、本当に趣味が悪い』
『は?』
『?』
『今なんて言った、アト?』
『だから、あの槍が復活した柱神ごと人柱を貫いてこの地のデシメーターを鎮める役割をするのさ』
『え? ミコトさんが富士山に飲まれそうになったみたいに?』
『ああ、そうだ、この柱神システムはそういう無駄の無いシステムだからな』
『アト、瞬間移動だ!』
『え?』
『だからマリア達を助けなきゃ、瞬間移動!』
『いやいや、アレかなり疲れるから』
『頼むよ!!!』
『えーーーー』
『アト!!!!』