第86話 ふぇー。14
「柚子ちゃん!あけましておめでとう!」
「ふぇー!」
「今日はお客さんが少ないし、俺と一緒にゲームをしよう!」
「ふぇー!」
今日のシフトは柚子ちゃんと一緒だ。仕事中にサボるなと言われてしまいそうだが、俺の店なんだから知ったこっちゃない。経営者をなめるな。
「よし、それじゃあルールを説明するね。まず柚子ちゃんがふぇーって言うでしょ?」
「ふぇー……?」
「次に俺は言う回数を増やしてふぇー、ふぇーって言う」
「ふぇー……」
「俺がふぇー、ふぇーって言ったら柚子ちゃんは1回増やしてふぇーって3回言ってね?」
「ふぇー……!」
「そうやって1回ずつ増やしていき、言う回数を間違えたほうが負けだよ」
「ふぇー!」
「それじゃあ柚子ちゃんの番から!」
「ふぇー!」
「じゃあ次は俺の番ね?ふぇー!ふぇー!……はい、次は柚子ちゃんの番」
「ふぇー!!!」
「……待って待って。違うんだ」
「ふぇ?」
「ただふぇーって言うんじゃなくて、次は1回づつ増やして言っていこうね?」
「ふぇー!」
「じゃあ今度は俺から言うよ?ふぇー!……はい、次は柚子ちゃんの番」
「ふぇー!!!」
「……もうこのゲームやめよっか」
柚子ちゃんと遊びたいから提案したが……そもそもこれ面白いのか。