第82話 遊園地。7
「店長さん……観覧車一緒に乗ります?」
「いや、遠慮しとく。死にたくないからな」
二人を待っている間暇なので七海ちゃんと雑談をしている。
「でもあかっちさんから誘うとは意外でしたね」
「たしかにな。まあこっちも手間が省けたし、うさぎ女も心がぴょんぴょんしてるみたいだしよかったんじゃないか?」
「上手いこと言ったつもりですか?きっしょ」
「うっせえよ」
「……この後の作戦ですがどうしましょうか?」
「二人っきりで問題ないなら俺達は帰るか」
「……そうですね。……そうしましょう」
「ん?何か不安なことでもあるの?」
「べ、別にないですよ……。……ただもうちょっと一緒にいたいなって……」
「え?」
「……もういいですよ!…………ばかっ」
「ばかってなんだよ!」
「もういいですって!」
ほんと七海ちゃんはよくわからない時がある。いじりなんだろうけど、よくわからないから反応に困る。
そうこうしている内に、二人が戻ってきた。気のせいか微妙に距離感がある。
「ただいまっす」
「……ただいまぴょん。あ、あの……」
「ん?どうした?」
「わ、私は用事を思い出したから……帰ります……ぴょん……」
「……え?」
「き、今日は誘ってくれて、ありがとうぴょん!……それじゃ……」
急な反応に何も言葉が出なかった。
ただ、うさぎ女の目には涙が零れていた。