第X話 クリスマス 番外編。4
「実は……私からもクリスマスプレゼントがあるんです」
「このテレビじゃねえのかよ」
「冗談に決まってるじゃないですか……。……どうぞ、これ」
七海ちゃんから綺麗に包装された長方形の箱を受け取った。何が入っているんだろう?
「あ、開けてもいいか?」
「喜んでもらえるかわかりませんけど……」
「えっと…………お!こけしじゃん!…………ん?こけし?」
「よかったら着けてみてください」
「え……あ、うん」
…………あれ?前にもこんなことやりとりしたような……気のせいか。とりあえず肩の上にこけしを乗せてみる。なんだか落ち着く。何だろうこの感覚。
「似合ってます。……選んで正解でした」
「……そ、そうか。あ、ありがとな」
「あの……店長さん」
「ん?どうした?」
「……伝えたいことがあるんです」
「何だよ改まって」
「…………私……店長さんのことが……」
ガタガタガタガタ!!!!
七海ちゃんが何か言いかけようとしている時に急にこたつが大きく揺れ出した。
「じ、地震か?」
「い、いや……揺れているのはこたつだけみたいです」
「も、もしかして、誰かいるのか……?」
「店長さん見てください……」
恐る恐るこたつの毛布を捲る。
……中には柚子ちゃんがいた。
「ゆ、柚子ちゃん!?なんでこんなところにいるの!?」
「夢だからですよ?」
「え?」
「ふぇえええええええええ!!!!」
◇
…………またとんでもない夢を見た。
……サンタさんのいたずらだろうか。
……ほんとクリスマスなんて消えちまえ。