第68話 ななみ。5
「わ、わかった……。ならもう少しだけいるわ」
「……うん」
俺をいじって遊びたいからそんなこと言い出したんだろうが……なんか、可愛く見えてしまった。その後、せっかくなのでデートのプランの詳細を決めていった。
「これで後はあかっちさんとキチガイゴリラに伝えるだけですね」
「呼び方変わってんぞ」
「あれ?そうでしたっけ?ゴミ……ゴミカス……汚物……なんて呼んでたか思い出せません」
「どれもちげーよ」
「まあ何でもいいです。考え事をしてたら疲れちゃいましたね」
「たしかにな」
「あの……プランを一緒に考えたお礼とかないんですか?」
「お前から言うもんなのかよ!わかったわかった。じゃあ何でも好きなもんを言えよ。あんまり高いものは奢れないぞ」
「じゃあ…………少しくっついてもいいですか?」
「え?……なんで?」
「……寒いんで」
「わ、わかった」
新手の嫌がらせなのだと思うのだが……なんだかよくわからない。
3分程無言の時間が過ぎた。
「そ、それじゃあ帰るわ」
「わかりました。最近寒いんで温かいかっこをして寝てくださいね」
「お前はお母さんかよ」
「……また遊びに来てくれますか?」
「……お、おう。じゃあまた暇な時に来るわ」
「……うんっ」