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第63話 おでん。2
翌日。
宣言通りあかっちがおでんを作ってきた。
「頑張って作ったんで是非どうぞ」
「へぇー。まずそうな見た目してんな。どれどれ……うわ!まずっ!今まで食ったおでんの中で一番まずいわ!」
「食う前からまずいって言うのやめてもらっていいっすか」
「ったく。しゃねえな。食ってやるよ…………うま……なんだこれー!まっずー!はきそうー!」
「さっきうまって言いましたよね」
「い、言ってねえよ!」
こいつどんだけハイスペックなんだよ。料理もできんのかよ。今まで食ったおでんの中で一番うまかったわボケ。これ売り出したらめちゃくちゃ儲かりそうじゃカス。
「まぁさっきからバクバク食ってるあたり美味しいんでしょうね」
「このまずさの原因は何か考えてんだよ……タッパーに入れて持って帰っていいか?」
「どんなツンデレっすか」
「お、お前意外に料理もできるんだな」
「え。ああ。家でよく作るんで」
「お前もしかしてシェフとか目指してたりすんの?」
「美味しいものを食べたいから作ってるだけっすよ」
「そ、そうか」
こいつ本当にスペック高いよな……。