第61話 ふぇー。9
後日。
七海ちゃんにラインを送ってみた。
店長:本当に家に行ったらいいの?
七海:もう集合場所を忘れるなんて頭スッカスカですね。せめて脳にあんこでも詰めたらどうですか。
店長:か、確認だよ!確認!
◇
「ふぇー」
なんで家に集合なんだよ……。俺女の子の家なんて遊びに行ったことねえよ……。あいつって一人暮らしなのかな……?実家暮らしならかなりきまずいぞ……。スーツとか着てったほうがいいのかな……。ああ……クーリング出してないな……って考えすぎな気がしてきた。
「ふぇー」
「ああ。柚子ちゃんごめんごめん。ぼーっとしてたわ」
今日は柚子ちゃんとシフトが一緒だ。くそ。こんな幸せな時間をあいつのせいで……!!、もう考えるのはよそう。
「ふぇー」
「よし、仕事しよう!仕事!」
「ふぇー!」
「ゆ、柚子ちゃん?」
柚子ちゃんがレシートの裏に何か書き始めた。えっと……何々……「何を考えていたんですか?」……普通にしゃべってくれればいいのに。
「えっとね。七海ちゃんの家に行くことになったんだけど、変に考えちゃってさ」
「ふぇ………………ふぇー!!!」
「ど、どうしたの?」
また柚子ちゃんがレシートの裏に何か書き始めた。……「何しに行くんですか?」……。
「えっとね。話すとややこしいんだけど、要するにデートのプランを立てるんだよ」
「ふぇ………………ふぇー!!!!!」
「ど、どうしたの?」
またまた柚子ちゃんがレシートの裏に何か書き始めた。……「二人は付き合っているんですか?」
「え……ああ!そういうことね。事情があってお客さんのデートのプランを考えることになったんだよ。別に付き合ってるわけじゃないよ」
「そうですか……あ。ふぇー!」
「えええ」