第5話 タバコ。
「マイセンのソフト1つ!」
「年齢を証明できるものはございますか?」
「なんで売ってくれないの!」
こういうケースは非常に多い。基本的に未成年に酒やたばこを売ってしまった場合、原則として売った店側が罰金を支払わなければならない。そのため、20歳以上かどうか怪しい人に関してはめんどくさがらず、ちゃんと年齢確認をしなければいけない。
んで未成年のやつに限って「なんで売ってくれないの」とか「見たらわかるっしょ」とか「免許書忘れてきたから売れよ」とか言ってくる。もう正直鬱陶しい。いっそ未成年立ち入り禁止にしたい。
しかしこの子は例外。
「体操服着て、ランドセルを背負ってる時点でまあ確認するよね」
っつかどう見ても小学生。
「何でもいいから、マイセン売ってよ!見た目が幼いだけだって!」
何なんだよ、この小学生。顔立ちも小学生だし、外見も小学生だし、今はマイセンじゃなくてメビウスだし。何だよ、こいつ。
「お母さんかお父さんに買ってこいって頼まれたの?」
「そうそう!!頼まれたの!!!10番のやつ!10番のやつ!」
「あのね、未青年は誰かに頼まれたしても売ることはできないの」
「ふざけんなよケチ!!」
「法律で決められてるから仕方ないの」
「法律なんてしらねーよ!ケチ!!!」
「あのね、君が生徒指導を受けようが、肺がんで死のうが、俺としてはすごいどうでもいいけど、法律で決められてるから仕方ないの」
「あーもうくそ!!あほ!!しね!!覚えてろよ!!!はげ!!!」
暴言の嵐だった。
また今度きたら、警察呼んでやる。大人の力なめんなよ。