第4話 まっく。
深夜のコンビニは、変なお客さんが来やすい。
「ビックマック1つ。ピクルス抜きで」
「ちょっと待ってください」
ビックマックなんかうちの店に置いてねーよ。最近のコンビニは何でも置いてるからって流石にあると思うなよ。
「そうですね……うちの店コンビニなんで、そういうの取り扱ってないんですよ……。あ、でもチンするタイプのハンバーガーでしたら、店に置いてますよ」
「じゃあそれでいいよ」
よかった。変な客に違いないが問題は解決したみたいだ。
「では、取りに行ってきますので、少々お待ちください」
「あ、あとマックシェイク1つ」
こいつ絶対うちの店マックだと思ってんだろ。さっき俺コンビニって言ったよね?言ったってか店の雰囲気みればわかるよね?外の看板にMの文字書いてないよね?
「そうですね……うちの店コンビニなんで、そういうの取り扱ってないんですよ……」
念のため、再びコンビニと強調しておく。また来られて同じこと言われても面倒だからな。
「マックシェイクはございませんが、フローズンシェイクでしたら店に置いてますよ」
「じゃあそれでいいよ」
少しでも早くこいつから解放されたかった。俺は急いで頼まれた商品を取りに行った。
何はともあれ、俺の見事な接客スキルのおかげでクレームにもならず、無事解決したわけだ。よかったよかった。
「えっとですね……合計2点で410円頂戴致します」
「カード使えます?」
「ご利用頂けますよ」
「じゃあマックカードで」
「だから、うちの店はマックじゃねえよ!!!」