第46話 びこう。5
「カルボナーラのお客様」
「私です」
「熱いのでお気を付けください」
「ありがとうございます」
「ラージゴミライスのお客様」
「なんで大盛になってんだよ」
「腹痛にお気を付けください」
「こいつノリいいな!面白くなってきたわ!!」
「ではごゆっくりどうぞ」
実際に来たのはマルゲリータだった。ジョークがいえるタイプ店員か……。なかなかやるな。っつか本当にゴミライスとかいうのが来るんじゃないかと思ってしまったあたり、周りの環境のせいだと思う。
「面白い店員さんでしたね。店長さんの5倍ぐらい」
「俺を基準にするな」
「さて、食べましょうか。」
「そうだな、冷めないうちに食おう」
「いただきます」
「……お、結構美味いな」
「美味しいですね。そういえばあかっちさんなんかおかしくなかったですか?」
「ん?」
「何か急にお店を出てったような気がしますし……」
「あいつは何考えてるかわかんねえからな。ま、少し気になるが……今はあの二人だ。付き合うことになりましたとか言われたら俺は店長辞めるからな」
「何子供みたいなことを宣言してるんですか。そんなに柚子ちゃんのことが好きなんですか?」
「……い、いや!そういうのじゃねえよ!……なんというか……柚子ちゃんは……可愛い娘というか……俺にとってアイドルというか……!!」
「とりあえず気持ち悪いことはわかったので警察を呼びますね」
「待て待て!!それだけの理由で警察呼ぶな!!」
「まあ何でもいいですけど。そんなに柚子ちゃんが気になるんですね」
「悪いかよ!」
「……別に」
「なんだよそのリアクション」
「……あ、あの二人知らぬ間にお会計してます」
「やっべ!追いかけないと見失うぞ!行こうぜ!」