第41話 デート。2
「この店インターホンないんだって。変な店だよね」
「そ、そうですね……」
「とにかくそのまま入っていいらしいから行こっか」
「……はい」
うーん……改めて考えてみるとお店にインターホンってあったっけ……?これってもしかして先輩のギャグだったのかな……。もしそうなら店長さんみたいに「なんでやねん!」って言えばよかった。先輩に申し訳ないな……。
「い、いらっしゃいませ。二名様でよろしいでしょうか?」
「えっと、今いるのは……僕と柚子ちゃんだから……はい、三名です」
「……えっと……に、二名様でお間違いないですよね?たばこはお吸いになられますか?」
「たばこってなんですか?」
「……え?」
「先輩。店員さんにまで冗談を言うのはやめてくださいね?えっと……禁煙席でお願いします」
「あ、ああ!冗談だったんですね!失礼いたしました。こちらの席にどうぞ」
「あのさ、柚子ちゃん。たばこってどんなのだっけ?」
「ふふっ。先輩って本当に面白い人ですね」
その後、店員さんに案内してもらい席に座りました。
「私ここのファミレス初めて来ました」
「そうなんだ。僕も初めてだよ」
「あの……後ろの席の人、皆サングラスにマスクをつけてますね」
「みたいだね」
「……花粉が流行っているんでしょうか」
「花粉……?ああ。た、たぶん花粉だよね。花粉だよ」
うぅ……。私も花粉症だからマスク付けてきたらよかったな……。