第38話 びこう。
「い、いらっしゃいませ……」
「3名です」
「た、たばこはお吸いになられますか?」
「禁煙席でお願いします」
「こ、こちらへどうぞ……」
案内に従い、俺達は席に着く。今日は約束をしていた例の日だ。
「店員さん引いてましたね」
「お前が変装してこいとか言うからだ」
「ギャグ漫画みたいっすもんね」
全員がコートを着て、サングラスとマスクを着けるという怪しさMAXファッションで来店したせいだろう。店員が完全に引いていた。
「さて、二人がいつ来るかわかんねえしな……それまで何するよ」
「ここは盛り上がるいつものゲームでもしますか?」
「おっ。いつものやつね」
「いつものやつ?」
「店長さんの短所を順番に挙げていき、共感できるものがあれば「あ、それマジウケルー!」というゲームです」
「……さ、最低だな!っつかこんなゲームいつもやってんのかよ!お前ら仕事しろよ!」
「では早速やりましょう。えっとですね……まずは部屋が臭い」
「あ、それマジウケルー!えっと……器が小さい!はい、次店長の番っすよ」
「あ、それマジ……って誰がやるか!!!」
せっかくの休みの日になんでこんなにいじめられてるんだ。