第33話 ご相談。
「……あかっち。聞きたいことがあるんだが……」
「ん?なんすか?」
「いやーあのさ、あの馬鹿が柚子ちゃんと飯に行くって話聞いたか?」
「ああ、聞きましたよ」
今日のシフトはあかっちと七海ちゃんと一緒だ。七海ちゃんに聞かれると何かと面倒なのでウォークイン補充している隙にあかっちに話かけた。
「それでさ、どこに行くか知らないかなーって」
「聞いてどうするんすか?」
「え、あ……えっと……」
「どうせ、二人の邪魔しに行こうとか考えてるんでしょ?」
「ぎくっ」
「七海ちゃんの言葉を借りるなら顔に書いてますよ」
くそ。勘のいい奴め。どうしてすぐわかったんだ。さてはメンタリストだなこいつ。
「と、とにかくだ。何か知らないか?いつ行くとか場所とか何でもいいからさ」
「そうっすねー。今週の日曜日に行くってのは聞きましたよ」
「そうか。ちなみにあいつが行きそうな場所知らないか?」
「……先輩何考えてるか全然わかんないんで検討もつかないっすね」
「……たしかにな」
飯に行くとか言ってガソリンスタンドに行きそうなやつだ。普通に考えればレストランとかファミレスとか喫茶店なんだろうが……全く検討がつかん。
「まあ今回は邪魔するなってことじゃないっすか?二人で飯行くだけでしょ?」
「いや、でもな?それをきっかけに意気投合して――」
「私二人がどこに行くか知ってますよ。ボロ雑巾ゴミクズ店長さん」
「――しれないだろ?っておい!?どっから出てきた!?」