第25話 ふぇー。7
「柚子ちゃん何か嫌なことでもあった?店長きしょい?店長きしょい?」
飯を奢ることで交渉が成立したが、どんな聞き方だよ。質問と言うよりこれ完全に誘導だろ。
しかしそこはスーパーハイパー天使柚子ちゃん。首をぶんぶん横に振っている。っつかきしょいからって理由で怒られても困る。整形しか道残ってないじゃん。いやでも、柚子ちゃんと喋れるようになるのなら思いきって整形するのもありか……?いやねーよ。
「……別に嫌なことは何もないんです」
「そうなの?」
「……はい。ただ……心配で」
「心配?」
「昨日途中で帰ったって聞きましたし……体調大丈夫かなって」
「……だそうっすよ。店長」
…………柚子ちゃん……。何か俺に向かって必死にふぇーふぇー言ってるから怒ってるんだと勝手に思ってたけど、心配してくれてたんだね。
「ごめんね。柚子ちゃん」
「ふぇー……」
相変わらずふぇーしか言ってくれないけど、柚子ちゃんの優しさはひしひしと伝わってくる。そんな気がする。もうよくわかんない。やっぱり言葉って大事。まあでも本当に心配かけてごめんね。
◇
「んじゃおつかれっす」
その後あかっちはフルーツオレを10個まとめ買いし帰っていった。あいつ毎日飲んでるんだよな。俺なら甘ったるくてすぐに気分悪くなりそうだが。
「ほんと、よく飽きねえよな……あいつ……」
「そうですね……あっ!……ふぇー!!!」
…………え?