第231話 どっち。2
「冗談で話を紛らわしているのはわかったんで、本当のこと、言ってくださいよ」
「さ、さっきのは……冗談じゃねえよ」
「あれを本気で言ってたら人として終わってるというか、もう発言が犯罪者でしょ」
「俺はそういう性癖の持ち主なんだ!!!」
「……なんか店長っぽい発言なんすけど……なんか選ぶのを放棄してません?」
「え、選ぶもクソもあるかよ。そもそも柚子ちゃんは俺のことを嫌ってるし、七海ちゃんも俺のことをからかっているだけだろ」
「……はぁ。なんでそう恋愛アニメの主人公みたいな察しの悪いキャラ演じてんすかね……」
「演じてねえよ!素だよ!素!」
「仮にっすけど、柚子ちゃんと七海ちゃん、どっちも店長のことが好きだったとしてどっちを選ぶんすか?」
「いや……それは……」
「早く選ぶのですよ」
「うーんどっちかっていうと……」
「ワクワクしてきたのですよ」
「……ってええ!?」
二人で会話をしていたはずなのに、いつの間にかあかっちの横にあざらしが座っている。
「お、お前いつから座ってたんだよ!?」
「さっきなのですよ。あざらしは突然ワープができるキャラなのですよ」
「ただでさえキャラ濃いのに、特技増やすな!」
「それでワープとかどうでもいいんで、どっちを選ぶんすか?」
「いやいや!あざらしが突然現れたことに対してお前冷静すぎだろ!」
「早く選ぶのですよ」
「あー!!!!もう!!!言えるか―!!!!」




