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第221話 BBQ。4 ※あかっち視点

「あかっちさん大丈夫ですか?」


「め、珍しく動揺しちゃったよ。大丈夫。大丈夫」


「そこで、今回のご相談なんですが……」


「うん」


「私と店長さんを二人っきりにしてもらえる状況を……作ってくれませんか?」


「…………なるほどね。……わかった。柚子ちゃんが本当に好きだと思うんなら協力するよ」


「……ありがとうございます」


 ……急な展開すぎて理解できない部分も多いが、とりあえず柚子ちゃんの気持ちに関してはわかった。


 しかし……告白するにしたって……。とりあえず、これだけは確認しておきたい。


「ひとつ聞きたいんだけどさ、一体どうやって告白すんの?」


「……え?……普通に好きですって……」


「……え?」


「……??何か変なこと言ってます??」


「いや……さっきの話にも出てたけど柚子ちゃん店長の前じゃ、ふぇーって言うからさ……」


「…………あっ!!」


「嘘でしょ」


 なんで完全に盲点だったみたいな感じになってんの。


「……一体どうしよう……」


「まさかのノープランだったとは」


「あの……あかっちさん……何いいアイデアありませんか?」


「うーん……。紙に『ずっと好きでした』みたいなことを書けばいいんじゃないの?」


「なるほど……!名案です……!」


 3秒ぐらいで思いつきそうな提案をしたけど、柚子ちゃんにとっては意外なアイデアだったらしい。


 早速カバンからメモ帳を取り出すと、文字を書きだす柚子ちゃん。


 しかし、何やら上手くいっていない様子。


「うう……ダメです。店長さんのことを考えながら書くと『ふぇー』って書いちゃいます」


「何その高度な現象」


「全然上手く書けません……。あの……あかっちさん代わりに書いてくれませんか?」


「流石にやだよ!俺が店長宛に告白の文章を書くって絵面きもすぎるっしょ」


「私はかまいません」


「そういう問題じゃない!!!……柚子ちゃんのお願いでも、それは流石に嫌だからな」


「うう……完全に手詰まりです……」


「もうちょい考えようよ。……例えば……別の人をイメージしたらいいんじゃない?バカ……上神先輩とか思い浮かべてみたらどう?」


「なるほど……!……でも……上神先輩は好きじゃないので書きたくないです」


 無駄にバカ先輩傷つけられてるな……。


「…………じゃあ、好きな動物とか思い浮かべてみたら?」


「なるほど……!!!やってみます!!」


 ――今回のは上手くいったみたいで、文章が書けてるみたいだ。


 しかし、協力するっていう流れに自然となってしまったが、この状況を七海ちゃんが知ったら、どう思うんだろうか……?


 あんなに店長のことが好きなんだから、二人がもし仮に付き合うとかなったらバイトを辞めてしまったりするかもしれない。


 そうなってしまうと最悪、今回のBBQが最後の集まりになってしまう可能性もあるのか……。


「なんか複雑だな……」


「え?どうしましたあかっちさん?」


「いやいや何でもない!……告白上手くいくといいね」


「……はいっ」


 俺が考えたって仕方がない。見守ることしかできないからな。

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