第220話 BBQ。3 ※あかっち視点
「え……べたなこと聞くけどさ。ライクじゃなくてラブのほう?」
「……はい」
待って待って。何で柚子ちゃんこんなこと聞いてくんの。
……事情はわからないが、話が多少長くなると思い、目的地まで敢えて遠くなるようにルートを少し変えて運転をする。
「いや……どんな感じって言われてもなぁ……その人のことを気がついたらずっと考えちゃうとか?」
「……はい」
「一緒にいるとテンパってしまったり、自分が自分じゃなくなるみたいな感じ……?」
「……なるほど」
「まあ好きって気持ちなんて人それぞれだと思うんだけどさ」
「そうですよね……」
「まー。俺も実はそんなに恋愛経験なんてないからさ、分かんないや。ごめんね」
「いえ……。あの……もう一個質問してもいいですか?」
「俺が答えられそうなことだったらね」
「……私が店長さんにふぇーって言うのはなんなんでしょうか?」
「より分かんない質問やめて」
質問難易度が高すぎる。
「何故私は店長さんの前だとふぇーって言っちゃうのでしょう……?」
「俺もそればっかりは全然わかんないな……あはは……」
「私なりに少し考えてみたんですが……聞いてもらっていいですか?」
「なになに?気になる、気になる」
「これって……あかっちさんが言ってた、自分が自分じゃなくなる状態なんじゃないでしょうか……?」
「いや、まあ……うーん……。そうなのかもしれないけどさ……好きとかまた別なんじゃない?」
「……別じゃないと思います。私、たぶん店長さんのことが好きなんだと思います」
「うーん…………えっ?」
さらっと凄いことをいう柚子ちゃん。俺に聞く前から既にある程度考えはまとまっていたらしい。
まあ……本人がキチンと考えた上でそういう判断になったなら……そうなのかもしれないけどさ。
「それでなんですが……私、今日告白しようと思います」
「……えっ?……え??」
あまりの動揺にハンドル操作がふらつき、車体が揺れる。
……何々。今日の柚子ちゃんどうしたの。




