第202話 変える。
「資金が集まってきたので、あざらしは本格的に日本を壊していこうと思うのですよ」
「テロリストかよ」
今日のシフトはあざらしと一緒だ。面接の時と同様に狂ったことを唐突に言いやがる。何か不審な行動があったら3秒で警察に通報してやるからな。うちで働いてたっていう情報全部消すからな。
「テロリストじゃないのですよ。あざらリストなのですよ」
「クソ言いにくいし、何も上手くもねえよ!」
「あざらしはあざらしっていっぱい言ってるのであざらリストは言いやすいのですよ!ぶっ殺すのですよ!!!」
「変なところ突っかかってくんな!」
こいつの沸点どこにあんだよ。でも資金が集まったって……こいつそんなにシフト入ってたっけ。給料もまだ1回しか口座に振り込んでないし大した額はないような……。
「お前今いくら金持ってるんだ?」
「1000円なのですよ」
「何も貯めてねえじゃねえか!」
「そうなのですよ!!!資金が集まってると思ったら集まってないのですよ!!!」
最初の発言どこにいった。言ってること支離滅裂じゃねえか。
「気が付かない内に何か無駄使いしてんじゃねえの?」
「……たしかにあざらしは募金でお金を使っちゃうのですよ。でも無駄使いのしてないのですよ」
「……ま、まあ流石にそれは無駄使いとは言えないわ」
「後ちょっぴりゲームに課金するぐらいなのですよ」
「思いっきり無駄使いしてるじゃねえか!」
「違うのですよ!!期間限定キャラが全然当たらないのですよ!当たるまで課金しちゃうのですよ!!」
「完全に金減ってる原因自分にあるじゃねえか!」
「確率を下げてる運営が悪いのですよ!悪なのですよ!」
「そうなのかもしれんが、向こうも商売なんだから仕方ねえだろ!」
「商売だろうが悪なのですよ!だからあざらしはこんな世の中を変えたいのですよ!」
「お前の発言一気に安っぽくなったな!!」




