第196話 カップ。
「コンビニのカップ麺は美味しくないのですよ」
「店でそんな台詞二度と言うなよ」
今日のシフトはあざらしと一緒だ。
「3分待った上に美味しくないのですよ。ラーメン屋さんのラーメンがあざらしは大好きなのですよ」
「当たり前すぎること言うな。でも最近のカップ麺だって結構美味いんだぜ?」
「本当なのですか……?」
疑わしそうな目で此方を見てくるあざらし。
「うちの店でもいくつか置いてるけど、人気店とメーカーがコラボで出してたりするからな。前と比べてカップ麺のイメージも変わると思うぜ?」
「……だからと言って美味しいとは限らないのですよ」
疑わしそうな目で此方を見てくるあざらし。
ここまで疑われてくると流石に俺も店長としてのプライドがある。
「じゃあ俺が今イチ押しの新作カップ麺あざらし買ってやるよ」
「わかったのですよ。そこまで言うならお昼に食べてやるのですよ」
「舐めた言い方しやがって!」
「あざらしはカップ麺が嫌いなのですよ。そりゃ上から目線で話すのですよ」
「……まあいい。とりあえず休憩中食えよ」
◇
あざらしが休憩から戻ってきたが、何やら不機嫌そうな顔をしてる。
もしかして不味かったのか……?
「カップ麺どうだった??」
「最悪だったのですよ」
「え?そんなに不味かったのか??」
「不味いとかいうレベルじゃないのですよ!」
「そ、そんなにか!?」
「3分待てなくて、すぐ食べたら麺が硬かったのですよ!!!」
「あざらしいぃいいいい!!!!!」




