表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
203/245

第193話 お弁当。

「あのさ、俺思ったことがあるんだけどさ」


「何なのですか?」


「あざらしって食えるのかな」


 今日のシフトはあざらしと一緒だ。


「……命の危機を感じたのですよ」


「いや、お前じゃなくて動物のほうだよ!」


「……まともなツッコミに見えて、結局怖いのですよ……」


「いやさ、うちの店にも他とは一風違った弁当みたいなのが必要だと思うんだよね?」


「……なるほどなのですよ」


 このご時世、普通の商品を売って安定した利益を生み出すことは難しい。何か新しいアイデアが必要だ。


「そこで恐らく俺の知る限り一番理解不能なあざらしに新しい弁当を考えてほしいわけよ」


「了解なのですよ」


 腕を組み、首を捻らせ目をつぶるあざらし。アニメとかだとそうやって考えるシーン結構みるけど、リアルじゃあんまり見ないよな。



 ――それから約1時間経過した。


 考えてくれって言ったものここまで真剣に考えちゃう?サクサクっと思いついたこと言ってくれればよかったんだけど。


 ずっと同じポーズで考えている。


 考えてる最中で申し訳ないが、流石にそろそろ話しかけよう。


「……何かいいアイデア思いついたか?」


「…………」


「……なあ……」


「…………」


「……もしかして寝てる?」


「…………」


「おい、起きろ!!!」


「……はっ!頭の中でお弁当を食べてお腹いっぱいになっちゃったから、寝ちゃったのですよ!」


 ……あざらしにまともな話題を振った俺が馬鹿だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ