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第190話 ななみ。16

「……到着しました」


「……お、おう」


「……す、少しだけ手を離しますね」


 10分程度歩いただろうか。どうやら目的地に到着したらしい。視覚以外に全力を注ぎ自分が把握できている点は、現在ショッピングモールのような建物の中ということだ。店内アナウンスで迷子のお知らせが流れたり、カップルやファミリー客の声が聞こえる。店内にはお菓子のような甘い香りが広がっている。波音とかは一切聞こえないから、とりあえず安全な場所ということは間違いない。一安心。


 歩いてる最中は、どこに連れていかれるかわからないという恐怖心と七海ちゃんの手を握っているというダブルドキドキで完全に思考が停止していたが、一体何をするんだろうか?……全く見当がつかない。


「はい、2名分お願いします。私がまとめて払います」


 何やら七海ちゃんが店員と会話をしている様子。一体何を2名分頼んだのか一切わからないが、流石に金は後で返さないとな。


 店員とのやりとりが終わったようで再び七海ちゃんが俺の手を握ってくれた。……非常におかしな話だが暗闇の中だと七海ちゃんの手がとても安心感を与えてくれる。今の俺は完全に七海ちゃんの手に依存している。このままじゃ七海ちゃんの手なしでは生きていけないかもしれない。


 ……いやいやいや。おかしいおかしい。


「それじゃ行きましょうか」


「……え?ここからまた移動するの?って何するの?」


「今から1時間半ほど一緒に映画を見ます」


「……映画!?」


 まさかの斜め上すぎる。


「好きだったアニメが映画化したんです。だから……一緒に見ましょう」


「え?いや、あの、映画の最中は目を開けていいよね?」


「いや、ダメです」


「まじかよ」


 そこから約1時間半程、音声のみで映画を楽しむという貴重な体験をさせて頂きました。

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