第18話 アイス。
「…………」
「なんか今日、店長ぼーっとしてません?」
今日のシフトはあかっちと一緒だ。
「元気ないっすねー?」
「ああ……」
元気がないというか、ここ最近忙しかったせいか、体調が悪い。気のせいか、少し熱もあるような気がする。
うちの店のバイトは大学生が多いせいで、テスト期間になると急激に人手不足になる。だから俺が空いたシフトの穴埋めを、立場上しなきゃいけないんだが……少々無理をしすぎていたかもしれん。
「最近店長ずっと働いてたから疲れたんじゃないっすかー?」
「かもしれんな……」
「割りと今日お客さん少ないし、俺一人で行けますよー」
「……本当か?」
正直そうしてもらえると凄くありがたい。こいつは見た目はチャラそうだし、性格は適当だし、ゆとり感丸出しだけど、こうやって俺の体調を気遣ってくれるあたり、根は優しいやつだと思っている。惚れちゃいそう。
「いいっすよ。店長にはいつもお世話になってるんで、とっとと帰っちゃってくださいー」
「本当にすまんな……。また今度なんか奢ってやるよ」
「あざっす。んじゃお疲れ様ですー」
「すまんな。お疲れ様」
とりあえず今日はゆっくり休んで体調を整えるか……。ありがとな。あかっち。
◇
よしよしよしよし……。店長は無事に帰りましたよっと。
それじゃ早速アイスケースの中にはいりますか……。