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第178話 ななみ。10

「じゃあまず私から言っていきますね」


「お、おう」


 七海ちゃんはそういうと暫くの間無言になり考え始めた。


 ……今さらだけどこのゲームってマジで何なんだろう。良い所を言い合う?よくよく考えたらなんでこんなお互いに恥ずかしいことをやろうとしているんだ。……向こうが答える側なのに何故か俺も緊張してしまう。


「えっと……クズで鈍感で頭が悪いけど人として尊敬するところが何もない所です」


「……いやいや!悪口しか言ってないじゃねえか!!!」


「……捉え方によっては良い所になります」


「それでいいなら何でも許されてしまうだろ!!!っつかどんな捉え方したら良い所に変換されるんだ!」


「ごちゃごちゃうるさいです。早く私の良いところを言ってください」


 理不尽にもほどがある気がする。ゲーム中盤からルールが崩壊していくのならまだわかるが、何で初っ端からこんなにぶっ壊れてんだ。


「……えっと……じゃあ……頭が良い所」


「……却下します」


「何でだよ!?」


「……普通だからです」


「何だよ普通って!」


「……普通は普通です。とにかく他のことを考えてください」


「なんで俺の時だけ審査がこんなに厳しいんだ!……えっと……じゃあ眼鏡が似合ってる所!」


「……仕方ないですね。ぎりぎりセーフにします。えっと……じゃあ上手に二足歩行が出来ている所」


「マジで何でもありだな!」


 このゲーム勝ち目無くないか。俺の良い所ガン無視で適当な事言いやがって。


 ……あれ?もしかして良いところがないからそんな事言ってる?……何ネガティブになってるんだ俺。


「次店長さんの番ですよ。早く言ってください」


「……何だよ全く。……じゃあクールに見えるけど、意外に可愛い所があるところ」


「……ふ、ふーんっ……」


「何だよ。また普通ってか?」


「……て、店長さんは女の子に向かって可愛いとか気軽に言えちゃう人なんですね」


「いや……七海ちゃんに対して可愛いと思ったことがあるから言っただけだよ」


「…………そ、それは普通に嬉しいです」


「何だよ普通って」


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