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第167話 まっく。5
「異世界チート無双バーガーください」
「そんなネット小説みたいな商品は取り扱いしておりません」
今日はマック野郎が店にやってきた。……普段ならここで何の生産性もない話をするのだが、今回は少し踏み込んで話をしてみよう。
「……じ、実はお前マックで働いてたんだな」
「異世界チート無双バーガーください」
「いやぁー、まさか客と店員と立場が入れ替わるなんてなぁー。偶然ってのはあるもんだなぁーと思ってさ」
「異世界チート無双バーガーください」
「だからねえって!!!」
同じことばっかいいやがって。NPCかよ。人の話全く聞く気ねえじゃねえか。
「現実のコンビニにはないということですか?」
「いや、その質問の意味がわからないけどねえよ」
「では異世界のコンビニにはあるということですよね」
「まず異世界がねえよ!」
「もし。もし異世界があったら、異世界チート無双バーガーは売ってますか?」
「異世界のコンビニ店員に聞け!!!」
やはりこいつとはまともなコミュニケーションが取れない。




